この記事を監修した人
幼児教育監修|石渡恵美(幼稚園教諭)
おもちゃ選定|青栁 陽介

ハイハイは生後7〜9ヶ月頃が目安ですが、しない赤ちゃんも約3割いて、発達上の心配はいりません。

「同じ月齢の子はもうハイハイしているのに、うちの子だけ…」という不安を感じているなら、まずその気持ちはとても自然なことです。

この記事では、月齢別の発達の目安・ハイハイしない原因・今日からできる練習方法・専門家に相談するタイミングまで、看護師監修のもとやさしく整理します。

この記事でわかること
  • 始める時期を判断する目安
  • ハイハイしない・遅れる主な原因
  • 今日からできる練習方法5つ
  • 市販品を選ぶときの注意点

監修:看護師(小児発達領域)

▼ 気になるところから読む

ハイハイはいつから?月齢別の発達の目安

ハイハイを始める赤ちゃんが最も多いのは生後7〜9ヶ月頃で、厚生労働省の乳幼児身体発育調査によると生後8〜9ヶ月で約75%、9〜10ヶ月で約90%の赤ちゃんがハイハイを経験しています。

ただし、これはあくまで統計上の目安です。発達には大きな個人差があり、6ヶ月台で始める子もいれば、11ヶ月を過ぎてから始める子もいます。

大切なのは「何ヶ月でできたか」ではなく、「発達の流れが続いているか」を見ることです。

ハイハイに至るまでの発達ステップ

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月齢の目安 発達ステップ ポイント
生後3〜4ヶ月 首すわり 頭を自分で支えられるようになる
生後5〜6ヶ月 寝返り・うつ伏せ 腕で上半身を支える力がつく
生後6〜7ヶ月 ずりばい お腹をつけたまま前進できる
生後7〜9ヶ月 ハイハイ 四つん這いでお腹を浮かせて移動
生後9〜10ヶ月 つかまり立ち 家具などにつかまって立ち上がる
1歳前後〜 伝い歩き・独立歩行 支えなしで2〜3歩歩ける

この順番はあくまで「よく見られる流れ」であり、ずりばいを飛ばしてハイハイに進む子や、ハイハイをほとんどせずにつかまり立ちに移行する子も珍しくありません。

発達のステップが「飛ぶ」こと自体は、多くの場合問題ありません。

ハイハイしない・遅れる主な原因

ハイハイしない原因の多くは、病気や発達の遅れではなく環境・個性・筋力の発達タイミングによるものです。

原因を大きく4つに整理しました。

原因① うつ伏せ時間が少ない

現在は乳幼児突然死症候群(SIDS)予防のため、就寝時は仰向けが推奨されています。そのため、日中のうつ伏せ経験が少なくなり、ハイハイに必要な肩・背中・体幹の筋力が育ちにくいケースがあります。

起きている時間に1日10〜15分程度のうつ伏せ遊び(タミータイム)を取り入れるだけで、筋力の発達を助けることができます。

原因② ハイハイしたくなる環境がない

部屋が狭い・床が滑りやすい・物が多くてスペースがないといった環境では、赤ちゃんがハイハイを選択しにくくなります。

また、常に抱っこされていたり、手の届く範囲においしいものがあったりすると、「移動する動機」が生まれません。少し離れた場所に興味のあるものを置くだけで、自発的に動こうとする気持ちが引き出されます。

原因③ ずりばいのほうが楽で速い

ずりばいができている赤ちゃんにとって、ハイハイは「新しい移動方法」です。ずりばいのほうが楽に移動できるため、あえてハイハイに切り替えない子もいます。

机の上や少し高い場所においしいものや好きなおもちゃを置くと、四つん這いの姿勢をとる動機になります。

原因④ 体幹・肩まわりの筋力がまだ育っていない

ハイハイは四つん這いの姿勢でお腹を浮かせ、手足を交互に動かす動作です。体幹・股関節・肩まわりの筋肉が連動して使われるため、ずりばいより高い筋力が必要です。

片手を伸ばしておもちゃを取る・うつ伏せで頭を持ち上げるといった動作を繰り返すことで、ハイハイに必要な筋力が少しずつ育っていきます。

📊
DATA INSIGHT|データ解説
太宰 潮
福岡大学 商学部 教授

キッズ・ラボラトリーの利用者アンケート(直近200件超)を拝見すると、0歳児のご家庭から「いろんなおもちゃを体験させてあげたい」「成長に合ったおもちゃ選びがまだ自分たちにはできない」という声が目立ちます。ハイハイ前後の時期は特に発達の変化が速く、1〜2ヶ月で遊び方がガラリと変わるため、「今の月齢にぴったり合うかどうか」を保護者の方が判断しにくい段階でもあります。この時期に月齢・発達段階に合ったおもちゃが手元にある環境は、うつ伏せ遊びやハイハイを促す自然な動機づけにもなると読み取れます。

ハイハイしない練習方法|今日からできる5つのコツ

練習のポイントは「させる」ではなく「したくなる環境をつくる」ことです。無理に四つん這いにさせようとすると赤ちゃんが嫌がり、逆効果になることがあります。

コツ① タミータイムを1日10〜15分取り入れる

起きている時間に、安全な場所でうつ伏せにする時間を作りましょう。最初は1〜2分でも大丈夫です。慣れてきたら少しずつ時間を延ばしていくと、肩・背中・体幹の筋力が育ちやすくなります。

嫌がる場合は、ママやパパの胸の上にうつ伏せに乗せるところから始めると受け入れやすいです。

コツ② 少し離れた場所に好きなおもちゃを置く

赤ちゃんの手が届かない30〜40cm先に、興味を引くおもちゃを置いてみてください。「取りたい」という気持ちが移動の動機になります。

音が鳴るもの・カラフルなもの・転がるものが特に効果的です。押すと動くプッシュトイや、引っ張るプルトイも視線を引きやすく、ハイハイを促すおもちゃとして活用できます。

コツ③ 四つん這い姿勢を補助する

赤ちゃんのお腹の下に丸めたタオルやクッションを置き、四つん這いの姿勢を少しサポートしてあげる方法があります。自分の体重を手足で支える感覚を体験させることが目的です。

膝の上に赤ちゃんをうつ伏せに乗せ、ゆっくり床に下ろしていく方法も、四つん這いへの移行を助けるとされています。

コツ④ ハイハイしやすい床環境を整える

フローリングは滑りやすく、赤ちゃんが動きにくいと感じることがあります。ジョイントマットやプレイマットを敷いて、膝や手のひらが痛くない・滑りにくい環境を作りましょう。

最低でも畳1〜2枚分(約1〜2㎡)のスペースを確保できると、赤ちゃんが動き回りやすくなります。

コツ⑤ ママ・パパが見本を見せる

赤ちゃんの目の前でハイハイして見せると、真似しようとする子がいます。特に生後8〜10ヶ月頃は模倣の力が育つ時期なので、楽しそうに動いて見せると効果的です。

「一緒に遊んでいる」という雰囲気が大切で、練習感を出さないほうが赤ちゃんも動きやすくなります。

キッズ・ラボラトリーの利用者アンケートでは、「コンシェルジュさんに選んでもらったおもちゃのほうが子どもの食いつきが良かった」という声が複数寄せられています。自分で選ぶよりも月齢・発達段階に合ったおもちゃが届くことで、うつ伏せ遊びやハイハイへの興味が自然に引き出されたというご家庭も見られます。

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ハイハイを促すおもちゃの選び方|うつ伏せ・四つん這いを引き出すポイント

ハイハイを促すおもちゃは「移動したくなる動機をつくるもの」が最有力です。音・動き・視覚的な刺激があり、少し距離を置いて使えるものを選ぶと効果的です。

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おもちゃの種類 対象月齢の目安 ハイハイ促進のポイント 代表的な商品例
プッシュトイ(押すおもちゃ) 生後6ヶ月〜 押すと動く・音が鳴り追いかける動機に ハペ おさんぽリリー
ボール・転がるおもちゃ 生後6ヶ月〜 転がるものを追いかけてハイハイを誘発 布製ボール・ラトルボール
音が鳴るおもちゃ 生後5ヶ月〜 音源に近づきたい気持ちが移動を促す くもん くるくるチャイム
プルトイ(引っ張るおもちゃ) 生後8ヶ月〜 引っ張ると動く・ハイハイ後の追いかけ遊びに ハペ おさんぽワニさん
ベビージム・プレイマット 生後0ヶ月〜 うつ伏せ遊びの土台づくりに最適 各社ベビージム

キッズ・ラボラトリーの継続利用データを見ると、生後6〜9ヶ月のご家庭では音が鳴るおもちゃや転がるおもちゃへのリクエストが特に多く、この月齢帯で「追いかける・近づく」動作を引き出すおもちゃが重宝されていることがわかります。

おもちゃを選ぶ際は、「赤ちゃんが自分から動きたくなるか」という視点を軸にすると選びやすいです。

おもちゃ選びで気をつけたいこと

キッズ・ラボラトリーの利用者から「ウッディプッディのおままごとセットを持っていたのでかぶってしまった」という声がありました。月齢に合っていても、すでに似たおもちゃがある場合は刺激が少なくなります。コンシェルジュに「今持っているおもちゃ」を伝えておくと、重複を避けたセレクトをしてもらいやすくなります。

「気にしすぎかも」と思ったときに読む話

ハイハイをしないこと自体は、発達の遅れを意味しません。ハイハイを経由せずにつかまり立ちや歩行に進む赤ちゃんも一定数います。

発達には「順番」よりも「流れが続いているか」のほうが大切です。

気にしすぎなくていい理由

  • ハイハイをしなくても、歩行や言語の発達に直接影響するわけではない
  • シャフリングベビー(おしりで移動する子)もいて、その後の発達に問題ないケースが大半
  • 1歳半健診では、ハイハイの有無に関わらず多くの子が歩行できるようになる
  • 発達の個人差は生後6〜10ヶ月が最も大きく、同月齢でも「まだずりばい」から「もう歩いている」まで幅がある

キッズ・ラボラトリーの利用者アンケートでも、0歳児のご家庭から「成長段階で不安だったこと」として「ハイハイをしない」「ずりばいのまま進まない」という声が複数寄せられています。同じ悩みを持つ保護者の方は決して少なくありません。

「ハイハイしない」タイプ別の見方

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タイプ 特徴 対応の目安
ずりばいのまま進まない ずりばいで十分移動できている 高い場所においしいものを置いて四つん這いを促す
シャフリングベビー おしりで座ったまま移動する 手のひらへの刺激を増やす・うつ伏せ遊びを取り入れる
ハイハイを飛ばして立つ つかまり立ちへの意欲が強い 立ち始めた後でもハイハイ遊びを取り入れると体幹強化に
うつ伏せを嫌がる うつ伏せ姿勢に慣れていない 胸の上から始めて1〜2分ずつ慣らす

専門家に相談する目安

生後10〜11ヶ月を過ぎてもずりばいを含む移動動作が全く見られない場合は、かかりつけの小児科や乳幼児健診で相談してみると安心です

「ハイハイしない」だけで受診が必要なわけではありませんが、以下のような状態が重なる場合は早めに専門家に確認しておくと心強いです。

  • 生後10ヶ月を過ぎても、ずりばい・ハイハイ・おしり移動のいずれも見られない
  • 首すわり・寝返りなど、それ以前の発達ステップも遅れている
  • 手足の動きに左右差がある(片方だけ動かしにくそう)
  • 体が極端に柔らかい・または硬い感じがある
  • 1歳半健診で歩行がまだ見られない

乳幼児健診は発達の個人差を確認する大切な機会です。「うちの子だけ遅い?」と感じたときは、健診のタイミングを待たずに小児科に相談しても大丈夫です。

乳幼児健診では、ハイハイしない赤ちゃんに対して「膝の上からゆっくり下ろしていくとハイハイの練習になりますよ」「おもちゃを斜め前に置いて誘ってみてください」といったアドバイスが行われています(母子健康協会シンポジウム資料より)。健診の場を積極的に活用してみてください。

おもちゃサブスクの向き不向き|ハイハイ前後の0歳児家庭の場合

ハイハイ前後の時期は発達の変化が速く、1〜2ヶ月で合うおもちゃがガラリと変わることがあります。この時期のおもちゃ選びに迷う場合、購入・サブスク・おさがりそれぞれに向き不向きがあります。

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家庭の状況 購入 サブスク おさがり
月齢に合ったおもちゃを選ぶ自信がない
おもちゃが増えすぎて部屋が狭い
特定のおもちゃを長く使わせたい
発達段階に合わせて毎月変えたい
外遊び中心でおもちゃを使う時間が少ない 合いづらい場合あり

キッズ・ラボラトリーの利用者アンケートでは、「子の成長に合わせたおもちゃ選びがまだ自分たちにはできない」「成長スピードが早く購入が追いつかない」という声が複数寄せられており、ハイハイ前後の時期にサブスクを選ぶ理由として最も多いパターンです。

一方で、「まだ早すぎたかな、と思いました。生後5ヶ月では遊べるおもちゃがそんなにないような気がしました」という声もあります。サブスクを始めるタイミングは、ずりばいが始まった生後6〜7ヶ月頃が使いやすい時期の目安です。

ハイハイしない練習方法についてよくある質問

Q1. ハイハイをしないまま歩き始めた場合、問題はありますか?

ハイハイをしないまま歩き始める赤ちゃんも一定数いて、多くの場合その後の発達に大きな問題はありません。ただし、ハイハイは体幹・肩甲骨・股関節の筋肉を鍛える動作でもあるため、歩き始めた後でも床でハイハイ遊びを取り入れると体幹強化の助けになります。1歳を過ぎてからでもハイハイ遊びの要素を補うことはできますので、焦らなくて大丈夫です。

Q2. 生後9ヶ月でまだずりばいしかしません。いつまで様子を見ていいですか?

生後9〜10ヶ月でずりばいのみの場合は、まだ様子を見て大丈夫なことが多いです。生後10〜11ヶ月を過ぎても移動動作が全く進まない・手足に左右差がある・それ以前の発達ステップも遅れているといった状態が重なる場合は、かかりつけの小児科や乳幼児健診で相談してみると安心です。「気になるな」と感じたタイミングで早めに相談するのは、とても良い向き合い方です。

Q3. ハイハイを促すおもちゃ、最初の1つとして何が有力ですか?

最初の1つとして有力なのは、音が鳴って転がる・動くタイプのおもちゃです。「追いかけたい」という動機が自然にハイハイを引き出しやすいためです。木製重視なら転がるラトルやプルトイ、食いつきの強さを重視するなら音と光が出るプッシュトイも視野に入ります。月齢・発達段階・すでに持っているおもちゃを考慮して選ぶと、より効果的です。

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ABOUT ME
石渡 恵美(幼稚園教諭)
石渡 恵美(いしわた えみ)/幼稚園教諭。 2013年 玉川大学 教育学部 教育学科卒業、幼稚園教諭1種免許取得。 卒業後、学校法人 新井学園 川崎若葉幼稚園(神奈川)、学校法人 中田学園 宮崎二葉幼稚園(宮崎)にて、合計約5年間 幼稚園教諭として勤務。保育現場での経験も持つ。 日常的に童謡や手遊び歌を通じて子どもと関わる中で培った、遊び・音楽・言語を介した発達支援の知見を活かし、キッズ・ラボラトリーでは乳幼児の発達段階・遊びのねらい・親子のコミュニケーションに関する記事を監修する。現在は2児の母。