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お子さんと英語学習を進めていると、「フォニックス」に出会いますよね。
フォニックスにはさまざまな意見があり、「意味ない」との情報を目にしたことがある方もいるのではないでしょうか。
「本当に意味がないの?」「効果的な勉強法は?」など、疑問は膨らむばかり。
この記事では、フォニックスが「意味ない」と言われる理由を解説し、おすすめの教材や効果的な勉強法についてご紹介していきます。
フォニックスでの勉強法が気になる方は、ぜひ参考にしてくださいね。
そもそもフォニックスとは?
フォニックスとは、簡単にいうと「英語の読み方」です。
英語の「発音」と「文字(つづり)」を結びつけるためのルールのことで、ネイティブの子どもたちは「読み書き」として最初に習います。
アルファベットの発音を先に学んでおくことで、知らない英単語に出会っても正しく読めたり、耳にした言葉のスペルが予測できたりするんですよ。
日本語はひらがなを「あ・い・う・え・お」と読めたら、「あお(青)」や「いえ(家)」と読むことができますよね。
ですが英語ではどうでしょう。アルファベットの「ABC」を「エービーシー」と読めても、単語になると読み方が違う、ということが起きます。「bag」を「ビーエージー」とは読みませんよね。
つまりフォニックスとは、英語を読むための音と文字との関連付けなのです。
フォニックスでは、ローマ字読みとは違って発音での読み方をします。(例えばAは(ェア)Bは(ブ)Cは(ク)Dは(ドゥ)と読みます。)
<フォニックスでの読み方>
Aa ェア | Bb ブ | Cc ク | Dd ドゥ | Ee エ | Ff フッ |
Gg グ | Hh ハ | Ii イ | Jj ジュ | Kk ク | Ll ル |
Mm ム | Nn ン | Oo オ | Pp プ | Qq ク | Rr ゥル |
Ss ス | Tt トゥ | Uu ア | Vv ヴ | Ww ゥワ | Xx クス |
Yy ィヤ | Zz ズ |
(本来、英語の正確な発音はカタカナ表記できませんが、ここではわかりやすくカタカナ表記をしています。)
フォニックスのルールを知っておくと、初めて触れる単語でも読めることが多くなり、英語学習を効率よく進められるでしょう。
フォニックスは「意味ない」と言われている理由
フォニックスについて否定的な意見がある理由は、以下の4つです。
- フォニックスのルールが当てはまらない単語があるから
- フォニックスのルールを覚えられず、つまらなく感じるから
- 日常的に英語をインプットできる環境ではないから
- 英語を話せるようにはならないから
1つずつ解説していきますね。
1.フォニックスのルールが当てはまらない単語があるから
「フォニックスを学んでも全ての英単語を読み書きできるようにならないのなら、効果はない」とする意見です。
フォニックスのルールで読める英単語は、全体の75%とされています。残りの25%はフォニックスのルールに当てはまらず、例外の単語として覚えるしかありません。
フォニックスを学べば、知らない英単語も読めると思いがちですが、実は全ての英単語を完璧に読めるわけではないのです。
2.フォニックスのルールを覚えられず、つまらなく感じるから
フォニックスのルールを覚えることは、「日本の子どもたちにとって負担が大きい」という意見です。
フォニックスの発音は、8カテゴリー100種類以上のルールがあります。子どもにとっては多く感じ、すぐには覚えられないでしょう。
頑張って覚えたにも関わらず、例外に出会うと混乱しますよね。これが原因となり、フォニックス学習を「難しい」「つまらない」と感じることもあるようです。
3.日常的に英語をインプットできる環境ではないから
フォニックスは、「英語の音に慣れ親しんでない日本人には効果がない」という意見です。
フォニックスはネイティブの子どもたち向けの学習法です。生まれたときから日常的に英語に触れ、単語をインプットしてきたことが前提となっています。
私たち日本人も、生まれたときから日本語で語りかけられ、日本語をインプットしているからこそ、自然と聞いて理解できたり話せるようになったりしますよね。
英語を十分にインプットできない状態でフォニックスのルールを学んだとしても、結びつける単語を知らないので、学習効果が期待できないと感じる方がいるようです。
4.英語を話せるようにはならないから
「英語をペラペラに話せるようになりたいと思っても、フォニックスだけでは効果がない」という意見です。
フォニックスは英語の音と文字をつなげる学習法です。習得することで発音が良くなり、知らない単語も読み書きできますが、英語を話せるようになるには不十分なのです。
英語を話せるようになるには以下の3つが大切だとされています。
- 英語をたくさん聞く
- 英語の音声を真似して声に出す
- 英語でやり取りをする
インプットとアウトプットを繰り返し続けることで、話せるようになっていきます。
フォニックスは英語学習を始めるきっかけとしてピッタリですが、それだけでは話せるようにならないことが多いわけですね。
フォニックス学習の効果やメリットは?
フォニックスに対して批判的な意見もありますが、もちろん効果やメリットもあります。
フォニックス学習の効果やメリットは以下の4つです。
- 子どもが英語学習を楽しく進められる
- 発音がよくなる
- 知らない単語でも読める
- リスニング力が身につく
順に紹介しますね。
子どもが英語学習を楽しく進められる
フォニックス学習は手遊びやリズム遊びなど、子どもにとって楽しめる要素が満載。動画や知育玩具を使って、家庭でも気軽に取り組むことができるのもポイントですね。
ママやパパと一緒に遊びから取り入れることで、子どもが英語を楽しいと感じられるのは一番のメリットではないでしょうか。
楽しいことは原動力となります。「できた!」を経験することによって達成感や自己肯定感も味わえるようになり、繰り返し取り組むうちに、英語力が自然と身についていきますよ。
発音がよくなる
文字ごとのフォニックス読みを知ることで、ネイティブの発音を学ぶことができます。
日本人がしてしまいがちな、カタカナ英語の発音を覚えることもありません。
フォニックス学習をすすめるうちに、自然な英語の発音を身につけられます。発音に自信がつくと、実際のコミュニケーションにおいても、自分の気持ちを臆することなく伝えられるようになるでしょう。
知らない単語でも読める
フォニックスを習得することで、知らない単語に出会っても1人で読めるようになります。英単語を音と文字のつながりで覚えるため、丸暗記することなく単語力を伸ばせるのです。
自分の力で読めることは大きな自信となり、英語学習に意欲的に取り組めるようになるでしょう。
リスニング力が身につく
フォニックス学習によって、アルファベットごとの音を理解できるようになります。音の種類を習得することで、基礎的なリスニング力が身につきますよ。
日本人にとって聞き分けが難しいとされる「L」と「R」、「B」と「V」なども、耳が違いを分かって自然と聞き取れるようになります。
例えば「ライト」と発音されたときに「light(光)」と「right(右)」、どちらなのかを混乱することなく聞き分けられるのです。
フォニックスは、発達が著しい幼少期に取り組むほうが効果が高いとされていますが、中学生や大人の英語学習にも役立ちます。
中学生からの英語では「読む」「書く」「理解する」英語力が求められます。英語に苦手意識を持ってしまう人たちは「書く」力でつまずくことが多いようです。
そこで、フォニックスを学ぶことにより「音から文字」「文字から音」の推測ができるようになります。
英単語の予測ができるので、丸暗記の英語学習ではなくなり、効率よく英語学習を進めていけるようになります。
中学生以降の大人におすすめなのは、アプリでの勉強法です。子ども向けと思われがちですが、幅広い年齢を対象としているので、大人になってから英語を学び直すときにも十分活躍してくれますよ。
【子ども向け】英語力を高めるフォニックスの勉強法
子どもの英語力を高めるフォニックスの勉強法を4つ、紹介します。
それぞれ対象となる年齢も記載しているので、参考にしてください。
- フォニックス教材となるYouTubeやDVD動画をみせる(0~4歳)
- フラッシュカードで遊ぶ(3~6歳)
- 英語の絵本を読む(4歳~7歳)
- アプリを使って、ゲーム感覚で楽しむ(4歳~小学生)
順に紹介していきますね。
フォニックス教材となるYouTubeやDVD動画をみせる(0~4歳)
フォニックスに関するYouTubeやDVDをみせて、聞き流すことを毎日の習慣にします。興味を惹く映像やリズムに、子どもは楽しくなり自然と身体が動くはず。
0〜1歳の間は聴覚が目覚ましく発達する時期なので、たくさん聞かせてあげるだけで十分効果的です。
2〜4歳になると、見て、学べるようになってきます。映像に出てくる音と単語が結びつき、自分からまねて発音したり歌ったりすることで、英語が自然と身についていきますよ。
YouTubeで「フォニックス」と検索すると、フォニックスに親しめる動画がたくさんあります。お子さんのお気に入りを見つけてみてくださいね。
フラッシュカードや絵合わせで遊ぶ(3~6歳)
フラッシュカードや絵合わせで遊びながら、子どもにフォニックス読みを定着させましょう。
フラッシュカードをめくりながら、動画で覚えた読み方で読んでいきます。動画で何回も聞くうちに、正しい発音も身についているでしょう。
フラッシュカードで遊ぶことで集中力や瞬発力も養えます。
ただし、単調な遊びになるので、年齢が高くなるにつれて飽きてしまうかもしれません。そんなときは、カルタのようにして遊ぶのもおすすめ。子どもが読み手になることで発音の練習にもなりますね。
アルファベットだけが描かれたものから始め、慣れてきたら3文字単語と絵が描かれたもの(例:bus/バスの絵)へと移行しましょう。
また、絵合わせで遊ぶのも効果的です。
絵合わせは視覚と聴覚の両方から英語を習得できます。また、子どもが1人でも取り組めるので、ママが忙しいときでも活用できますよ。
英語の絵本を読む(4歳~7歳)
フォニックスで単語と音の関係性を学んだら、簡単な英語の絵本を読むのもおすすめです。
最初はママやパパが読んだり、読み方をカタカナで書いてあげたりして絵本に親しんでいきましょう。
ママやパパが発音に自信がない場合は、CDつきの絵本を選び、CDを聞きながら一緒に読んでいくと良いです。何度か聞けば、子どもも自分で読めるようになりますよ。
1冊が8ページほどの少ないものならすぐに読めますし、子どもも達成感が味わえます。
アプリを使って、ゲーム感覚で楽しむ(4歳~小学生)
ある程度フォニックス読みが定着したら、アプリを使うのも効果的です。アプリなら直感的に音と文字の組み合わせを認識でき、ゲーム感覚で楽しめますよ。
また、年齢別にコンテンツが豊富なのも魅力です。子どもが効率良く、楽しく取り組めるよう工夫されたアプリが数多く開発されています。
無料アプリでも十分充実しているので、ぜひ取り入れてみてくださいね。
【子ども向け】フォニックスのおすすめ教材4選
次にフォニックスのおすすめ教材を4つ紹介します。どれも評価が高く、子どもたちが喜んで取り組むこと間違いなしですよ。
LeapFrog:Letter Factory
アメリカの知育教材会社「leapFrog」社の子ども向けフォニックス学習用DVD。フォニックスの導入にぴったりの動画教材です。
楽しい映像とリズミカルな音楽で、フォニックス読みが習得できます。はじめは聞き流しておくだけでもよいので、0歳からでも十分取り入れられますよ。
対象年齢:0歳から5歳まで
UNION SQUARE & CO:3- Letter- Words(絵合わせカード)
3文字の英単語を絵とともに並べて遊ぶ絵合わせカード。表には絵と単語、裏は単語だけが書かれています。カードをバラバラに並べ、イラストを頼りに絵合わせをしていきます。3文字単語の練習に効果的ですよ。
対象年齢:2歳から6歳まで
学研ステイフル:学研のあそびながらよくわかる えいごタブレット
学研が作った、タブレット型の英語知育玩具です。ボタンを押すと、音声と液晶で、アルファベットや英単語とともにネイティブの正しい発音が学べます。子どもが聞こえた音声をまねることで、フォニックスの発音を遊びながら身につけられます。
対象年齢:2歳から
LITTLE BUD KIDS: フォニックスキューブ
カリフォルニアに拠点を置くLITTLE BUD KIDS社の、モンテッソーリ式知育玩具。
ブロックを回して3つの音からなる単語を作る遊びや、フラッシュカードを使って写真の生物や食べ物などを、ブロックを回して表現するスペル練習もできますよ。
音をつなぐ仕組みが遊びながら体感でき、ブロックを回して遊ぶので指先の発達にも効果的です。
対象年齢:3歳から
フォニックスのおすすめアプリ
フォニックス学習に専用のアプリを使用するのもおすすめです。
気になった方はぜひダウンロードしてみてくださいね。
アプリ名 | 対象年齢 | 特徴 |
---|---|---|
Khan Academy Kids | 2~8歳 | 非営利団体のKhan Academyが、子供向けに開発した教育プログラム。ゲーム、動画、お話などの楽しいコンテンツが豊富。「文字」や「読み」のプログラムもあり、フォニックスも充実。 |
AGO Phonics Sound Pad | 5歳~ | 約400の英単語と140の発音をカードゲームを通じて楽しく学べる。フォニックス表が確認でき、タッチした文字のフォニックス音が聞ける。 |
Learn to Read | 2~6歳 | フォニックス学習で勉強する「3文字単語」の読み方を、クイズを解きながら楽しく覚えられる。効果音や動きがおもしろく子どもにウケがいい。 |
気軽にフォニックス教材を試したいなら、おもちゃのサブスクがおすすめ◎
フォニックスを遊びの中で取り入れようと思っても、子どもに合う教材を選ぶのは難しいですよね。かといってたくさん購入するのはコストもかかります。大量のおもちゃで家の中があふれてしまうなんてことも……。
そんなときはおもちゃのサブスクを利用するのがおすすめです。
サブスクのサービスの中には、英語学習ができるおもちゃを取り扱っているところもあります。
サブスクの利用には、以下のようなメリットがあります。
- 月年齢にあったさまざまな知育玩具に触れさせることができる
- 海外の知育玩具が豊富にそろっているので、ネイティブの子どもたちと同じように遊べる
- 指先を使ったり、集中力を高めたりなど、あらゆる角度から知育のアプローチができる
良質なおもちゃを気兼ねなく試せるサブスクで、お子さんにぴったりのものを見つけてくださいね。