知育玩具

モンテッソーリ教育で使われるおもちゃ

モンテッソーリ教育とは、自らを育てる「自己教育力に注目した教育方法です。まだ日本では聞き慣れない言葉かもしれませんが、保育園などで取り入れられることが増えてきおり、今後ますます広がっていくと考えられています。この記事では、モンテッソーリ教育の特徴や、そこで使用されるおもちゃについて解説していきます。

モンテッソーリ教育とは?

モンテッソーリ教育は、1907年にマリア・モンテッソーリという女性が考案した感覚教育法です。感覚教育法とは、指先を積極的に使う取り組みのことで、この動作が知的水準を引き上げることに気付いた彼女は、その後成長に必要な環境を発達段階に合わせて用意することで、子供の自ら成長していく力を引き出せると考えたのです。彼女の考えはそのご教育法として体系化され、今日のモンテッソーリ教育として確立されました。100年以上の歴史がある教育法で、現代では大脳生理学、心理学、教育学の観点からその確かさが証明されています。

モンテッソーリ教育で重要視されているのが「敏感期」と「お仕事」です。敏感期とは幼児期において、子供が大人の手を借りず、自分一人で物事をこなしてみたくなる時期のこと。モンテッソーリ教育では敏感期は6つあると考えており、その発達に合わせた活動である「お仕事」を行うことで、自分を育てる力を伸ばすことができるとされているのです。

モンテッソーリ教育で使用されるおもちゃは「教具」と呼ばれています。教具はそれぞれに役割を持っていて、伸ばせる能力も決まっています。そのため、子供の伸ばしたい力を考えて与える教具を選ぶ必要があるのです。また、細かい部品を使うもの、知識を必要とするものもあるので、子供の年齢や能力に合わせて選ぶことも重要です。「この力を伸ばして欲しいから」と大人が押しつけないように注意しなければなりません。

モンテッソーリ教育では、0~3歳を前期、3~6歳を後期と捉えます。前期は特に重要で、この時期にいる子供は「吸収する精神」と呼ばれ、人生の中で最も吸収力が強くなります。言葉を話す、歩くといった動作もこの時期にできるようになります。発達のスピードは速く、最初は全くできなかったことも、あっという間に簡単にこなせるようになり、それを繰り返すうちに社会に適応していくことになるのです。

0歳から遊べるおもちゃ

では、0歳から使えるモンテッソーリ教育のおもちゃについて確認していきましょう。とは言っても、0歳はそもそもの運動量があまり多くなく、自分一人でできることも限られているため、知育という面から見ると、大人がしてあげられることはあまり多くありません。張り切りすぎて押しつけになってしまわないよう気をつけましょう。

生後2ヶ月になると、赤ちゃんは目線を固定できるようになり、動く者を目で追う「追視」ができるようになります。この練習に適しているのが「モービル」です。木製プレートや人形などを糸で吊し、やじろべえのようにゆりゆらと揺れます。空気の微妙な動きに合わせて予測できない動きをするので、追視の訓練はもちろん、脳の発達にも良い影響があると言われています。同じく視覚の訓練になるおもちゃが「鏡」です。生まれたばかりの赤ちゃんは、自分がどんな形をしているのか知りません。全身が映るくらいの大きさの鏡を用意してあげると、鏡に映る自分の姿を赤ちゃん自身が観察することができます。それによって自分に手足があること、体の動きと感覚を連動させることを知ることができるのです。

布でできたおもちゃは柔らかく、怪我をする心配がないので0歳の赤ちゃんでも安心して遊ぶことができます。ぬいぐるみはこの時期の赤ちゃんにとても適したおもちゃで、指先でものを掴む練習や、触覚や味覚といった感覚を伸ばすことに役立ちます。中に鈴など音が鳴るものが入っていれば、大人が持って興味を引くことでずりばいやハイハイの練習にも使えます。布と一口に言ってもその種類は豊富なので、いろいろな手触りのものを与えてあげましょう。いろいろな触感を体験することで、感覚や近くの発達に繋がります。

6ヶ月を過ぎたら、少し複雑な動きをするおもちゃを与えても良いでしょう。例えば箱の内部が緩やかな坂になっており、中にボールを落とすと下に取り付けられたトレイまで戻ってくるようなおもちゃ。生後6ヶ月になると、赤ちゃんは見えていない場所にも物や人が存在していることが分かってきます。「視界から消えたボールが、また元の場所に戻ってくる」おもちゃで遊ぶことで、その認識形成を促すことができるのです。

手押し車も、この時期の赤ちゃんに適したおもちゃです。赤ちゃんの歩行を手助けする器具はたくさんありますが、手押し車には赤ちゃん自身が行きたいところに行けるという大きな特徴があります。そのため伝い歩きとは異なり、一人歩きをより促すことができるのです。また体の周囲をぐるっと囲う歩行器に比べると適度に不安定なので、自分で歩こうとする意識の形成にも役立ちます。

1歳から遊べるおもちゃ

1歳になると指がしっかり動くようになり、できる動作がグッと増えます。モンテッソーリ教育では特に手先の動きを重視しているため、それを促すようなおもちゃが増えてきます。例えば積み木。これまではただ掴んで離すだけでしたが、積み木で遊ぶことで、目で狙った位置に物を置く、という動作まで動きを複雑化させることができます。目と手の動きを連動できるようになるのです。また、積み木を崩さないように積むことは集中力の向上にも役立ちます。パズルも手先の複雑な動きを要するおもちゃです。また、くぼみの形に合うブロックを探すことで、物の形や大きさ、向きを認識する力を高めます。

手先の器用さがレベルアップすると、シールなどでも遊べるようになります。台紙からシールを剥がして貼る動作で、よりレベルの高い手先の動きと集中力を使うことになります。また春場所が指定されているシール帳を用意してあげると、より効果を高めることができます。ナットやボルトを模したおもちゃ、あるいはペグの形をしたおもちゃも、器用さを高めるのに役立ちます。ナットやボルトはひねる、ねじるといった動作を行うため、間接の動かし方を理解したり、可動域を向上させることに繋がります。ペグは細長いため、自然と摘まむ動作を身につけることができます。このとき学んだ手の動きは、鉛筆やお箸の持ち方にも繋がります。

手先だけではなく、体を大きく動かすことも同じくらい重要です。そんなときに役立つのが木琴や太鼓と言った打楽器。自然と腕を大きく動かすことができます。また叩く場所が変われば音色が、叩く力が変われば音の大きさが変わるため、そうした違いを知って楽しむこともできるでしょう。まだこの年齢では音楽を奏でることはできませんが、音を鳴らすこと自体を楽しむことはできます。発達段階の視力でも認識しやすい、色のはっきりしたものを選ぶとより良いでしょう。強く叩かなくても音が出る電池式のおもちゃもおすすめです。

2歳以上に適したおもちゃ

2歳になると使える言葉が増え、指先や手全体を使った動きもこなせるようになってきます。1歳の頃のおもちゃが物足りないようなら、より難易度の高い知育おもちゃを与えるのもいいでしょう。例えばレーシングビーズ。ビーズに紐を通して遊ぶおもちゃで、棒通しのレベルアップ版になります。棒よりも紐の方が通すのが難しいので、手先の器用さはもちろん、根気強さを養うこともできます。1歳の頃と同じ積み木で遊ぶときも、お城や家など、子供が興味を持つものを大人が一緒に作ることで、より遊びを発展させることができます。基本動作を洗練させることはもちろんですが、何を作るか決めて積み木を積むことで、同時に想像力も伸ばすことができるのです。

刃先が丸くなっている安全はさみも、立派な教育おもちゃです。ただ紙を切ることから始めて曲線を切ったり、予め書かれた線に沿って切ったりとステップアップすることで、手首を動かす練習になります。大きさが少しずつ異なるリングを土台となる棒に差し込んで遊ぶ「スタッキングタワー」も2歳程度の子供に合うおもちゃです。カラフルな塗装が色彩感覚を養うのに加え、大きさに基づいた順序性を学ぶことができます。シンプルな形であれば、そこから遊びを生み出すこともできるでしょう。

レンタルでいろいろなおもちゃを体験

モンテッソーリ教育で利用するおもちゃは、子供の発達段階に合わせて、より簡単なものから順番に取り組んでいくのが大切です。おもちゃは購入するのもいいですが、レンタルでお得に利用するのもおすすめです。実際に触れて自分の子供に合っているか確認できる上、年齢が上がって遊ばなくなってしまい場所を塞ぐ、ということもなくなります。