目次
1歳児のお子さんが思い通りにならないと泣くことは、モンテッソーリ教育において問題があることなのでしょうか。
今回は、モンテッソーリ教育の基本理念から具体的な接し方までわかりやすくまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください!
1歳で思い通りにならないと泣くことは、モンテッソーリ教育的には問題ない?
結論から言うと、「思い通りにならないと泣く」という行動は成長の過程なので、多くの場合、問題ある行動ではないんです。
モンテッソーリ教育の基本理念も振り返りながら、以下の2点を詳しく見ていきましょう。
- モンテッソーリ教育の基本理念
- 意思表示を一生懸命にしている
モンテッソーリ教育の基本理念
日本モンテッソーリ教育綜合研究所によると、モンテッソーリ教育は、子どもを観察することによって見出された事実に基づく科学的な教育法です。その基本的な考え方は「子どもには生来、自立・発達していこうとする力(自己教育力)があり、その力が発揮されるためには発達に見合った環境(物的環境・人的環境)」が必要である」というものです。
大人がすべきことは、子どもに教え込むことではありません。子どもの発達がどのような形ですすんでいくかを知り、子どもを観察し、環境を整えることです。
まずはこの基本に立ち返って「1歳の子どもが思い通りにならないと泣く」という行動を考えると、少し見え方が変わってきます。
意思表示を一生懸命にしている
1歳ごろは、言葉の意味を理解し始め、それを自分でも真似しながらどんどん吸収している時期です。
もう少し大きくなれば思いを伝えるための手段も増えてきますが、まだ「こうしたいのに!」「これは嫌なのに!」という思いを言葉で伝えるのは難しいので、泣くことでそれを表していることが多いのです。
そのため、泣くというやり方で意思表示をし始めたのであれば、思い通りにならなくて泣いても、問題はありません。
モンテッソーリ教育においては、「観察すること」「環境を整えること」が大切。落胆したり心配したりする気持ちを少し抑えて、「思いを伝えたいんだな」「自我を持ち始めたんだな」と受け止めて、成長過程の一部分として受け入れてあげましょう。
具体的な接し方は、後ほど詳しく説明しますね。
グズグズ期の1歳児、なかなか泣き止まない原因や理由は?
1歳は「グズグズ期」と呼ばれるほど、泣いたり駄々をこねたりする行動が増える時期です。なかなか泣き止まずに頭を悩ませる方も多いと思いますが、その原因や理由はどこにあるのでしょうか。
1歳児は突然火がついたように泣くのは当たり前?
1歳児がすぐに泣いたり泣き止まなかったりすることは、ごく自然なことです。
わかりやすい原因は、怒りです。この感情は出現が早く、生後3か月くらいから出てくるといわれます。身体に不快感を覚えたときや、やりたいことを阻止されたときなどに、泣くことで思いを爆発させます。
一方で、1歳児は心当たりがないのに泣き出すことも多いですよね。このときは、怒りというよりも戸惑いのようなものが原因かもしれません。
子どもの頭の中は、周りから受けたたくさんの刺激に対して、いろんな感情で溢れています。しかし、このあふれ出る感情をうまく整理できないもどかしさから、急に泣き出すことがあるのです。
とはいえ、原因は理解できても、突然火がついたように泣き出したりお出かけ先で泣き叫んだりされてしまうと、親としては困ってしまいますよね。
グズグズ期は個人差がありますが、1歳を過ぎたあたりから始まり、2歳前後でピークを迎え、3歳ごろには落ち着いてくると言われています。
あまりにひどい場合は通院などをおすすめしますが、泣くことは成長の過程で必要なことなので、いずれ落ち着くと信じて待つことも大切でしょう。
1歳児がよく泣くようになるのはよいこと?
子どもがよく泣くようになるのは、感じることが増えたり、やりたいことが増えているということです。
つまり、周りや自分に対して興味関心が高まっているということなので、よいことでしょう。
また、泣くことで周囲の大人に自分の気持ちや思いをぶつける、そしてどう受け止めてもらえるのか、反応してくれるのかを学ぶ機会にもなっています。
モンテッソーリ教育では、敏感期という呼び方で、子どもの各機能が成長するタイミングが細かく整理されています。とくに1歳児はさまざまな感覚が大きく発達するので、育児ではむずかしいこともたくさんありますが、成長のチャンスが大きいと考えることもできます。
このときに育まれた表現力や周りの人に意思を伝える力は、子どもが言葉を覚えたときに、成長の形として実感できますよ。
思い通りにならないと泣く(怒る・叫ぶ)1歳児へのモンテッソーリ流の接し方
では実際にパパさんママさんはどのように接したらよいのでしょうか。ここからは具体的な接し方を紹介します。
なお、成長の速度は個人差があって当然のものですので、わが子にあった接し方を選んでみてくださいね。
【1歳】グズグズ期のモンテッソーリ流の接し方
ずばり、子どもの気持ちに寄り添って言葉を投げかけることです。
1歳ごろの子どもが示す泣きの理由としては、ケガや体調不良、眠いなどの生理的欲求の場合を除き、このようなことが考えられます。
- 甘えたい
- 思い通りにできず(ならず)悔しい
- 理由はないけど泣きたい
例えば、おもちゃで一人遊びをしていたのに突然泣き出して足にまとわりついてきたとしましょう。
パパさんママさんからすれば、「さっきまで楽しそうに遊んでいたのに、いきなりどうしたの?」とびっくりしますよね。
そんな時は、けがや体調不良でないと判断できれば、子どもに寄り添った言葉がけをしてみましょう。
「何か泣きたくなることがあったんだね……ここから〇〇ちゃんが楽しそうに遊んでいたのを見ていたんだよ」などと、優しく、理由を聞き出したり、質問したりせずに、寄り添ってみてください。
子どもはパパやママが自分に向き合ってくれたと、無意識に感じ安心します。
接し方のポイントは何も質問せず、状況を言葉にすることです。そして、優しく淡々と話すこと。
よくやりがちなのが、「どうしたの!可哀そうに!」と、大げさに寄り添ってしまうことです。それでは「自分は可哀そうなんだ」と子どもが感じ、かえって泣きが強くなることがあります。
気持ちに寄り添う面ではよいことですが、大人側の感情を上乗せする必要はありません。
【1歳半】イヤイヤ期のモンテッソーリ流の接し方
1歳半を過ぎても、泣く理由は基本的にそれまでと同じです。なお、一般的にイヤイヤ期といえば2歳前後からとされてますが、ここでは1歳後半から2歳までの子どもについて説明します。
この頃から、より強くなってくるのは、思い通りにできないことによる泣きです。なぜなら、子どもは成長するにつれて、こうしたい、やってみたいという思いが強くなるからです。
1歳半の子どもは好奇心旺盛なのに、体の成長が追いついていないことも多々あります。
この段差の上に登って上に置いてあるものを取りたいのに、段差に登れる筋力とバランスがまだ足りない……などといった状況ですね。
この場合は「この上に登ってこれを取りたかったんだね。悔しいね。高いところにあるものに気づくなんてすごいね」と、状況を見せながら言葉にします。
こういった場合に勝手に取って渡すことは、かえって泣かせてしまうこともあります。そのときの子どもの欲求は、自分で取ることだからです。
モンテッソーリ教育における自立を促す関わり方にも反してしまいますね。
泣きが落ち着かないときは、おもちゃ(教具)を活用しましょう。とくに、モンテッソーリの感覚教育で重視される三指を使いながら、集中して遊べるおもちゃがおすすめです。
イヤイヤ期の子どもと向き合うことはたいへんですよね。
年齢や発達段階に合ったおもちゃを子どもに与えることで、子どもが夢中になり、親が余裕を持ちやすくなります。
環境を整えて、親も気持ちに余裕を持つことができたらよいですね。
思い通りにならないと泣く(怒る・叫ぶ)1歳児にしてはいけないことは?
思い通りにならず泣く子どもと接するときは、注意すべきこともあります。ここで「やってはいけないこと」として、3つ紹介します。
阻止すること
「やめて」「泣かないで」と子どもの言動を阻止するのはやめましょう。
子どもは突き放された気持ちになってしまいます。
そして阻止され続けてしまうと自己主張の妨げとなり、自分の思いや意思を表に出せなくなるなど、よくない影響も考えられます。
交換条件を出すこと
「泣き止んだら○○してもいいよ」などという交換条件を出すこともおすすめできません。
子どもの気持ちを置き去りにしたままで、子どもの意思表示を無駄にしてしまう可能性があります。
感情的に叱ること
これは、一番よくない対応かもしれません。
大好きなパパママに気持ちをわかってもらえないことに加え、叱られてしまったら、子どもの思いは行き場を失ってしまいます。
もし、気持ち的に受け止めることがいっぱいいっぱいになったら、「すぐに泣き止ませないと」と焦らず、落ち着く時間をとりましょう。
時間を置くと、案外子ども側もけろっと泣き止む場合もあります。逃げるが勝ち、ではありませんが、あえて離れることも時には必要です。
モンテッソーリ教育は、環境を整えることで子どもの成長を見守ることを大切にしている教育です。無理のないかたちで、過ごしやすい環境を作っていくことが大切です。
モンテッソーリ教育の環境作りにはおもちゃのサブスクがおすすめ!
1歳ごろの子どもにとっておもちゃは、大切な物的環境です。
その時期の成長にあったおもちゃを与えることで、子どもの興味関心を引き出し、思いを発散させる道具にもなります。
しかし、「この子にはどんなものがいいのか」「買って遊んでくれなかったらな」と悩まれる方も多いかと思います。
そこでおすすめなのがおもちゃのサブスクです!
おもちゃを定期レンタルできるので、子どもの成長にあわせて適切なおもちゃを与え続けることができます。気に入らなければ交換でき、迷ったら月齢や発達に合ったおもちゃをプロが選んでくれます。
さらに高級な木製知育玩具も豊富に取り揃えているので、コスパもよく、気軽に始めることができます。
おもちゃのサブスクをじょうずに活用し、子どもに合ったおもちゃを取り入れることで、大変なグズグズ期、イヤイヤ期も楽しく乗り越えていけたらよいですね。