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子を持つ親として、できるなら運動神経の良い子に育ってほしいと考える方も多いですよね。
2歳ごろになると積極的に身体を動かすようになるため、これまではできなかったアクティブな遊びにも挑戦できます。
遊びやおもちゃを通して、運動神経を伸ばしてあげることはできるのでしょうか?また、運動神経の伸長に効果的なおもちゃとは、どのようなものなのでしょうか?
この記事では、運動神経の基礎知識や2歳向けの運動神経を伸ばすおもちゃと効果についてご紹介します。
2歳から運動神経を伸ばすことはできる?
幼児期から運動神経が伸びるような取り組みをしたいと考える一方、「こんな早い時期からできることはある?」と疑問に感じますよね。
実際は、動きが活発になり始める2歳から、たくさん体を動かして運動能力を身に付けることで、将来の運動神経に一定の影響を与えることができます。
なぜなら、幼児期の過ごし方と運動神経を伸ばすことは、大きなつながりがあるからです。
文部科学省による「幼児期運動指針ガイドブック」の中で、以下のように書かれています。
運動神経を伸ばすためには、幼児期の遊びがとても重要であると考えられます。
そもそも運動神経とは?
運動神経とは、身体や内臓の筋肉の動きを指令するために、信号を伝える神経の総称。
例として、手を動かす仕組みについて見てみましょう。
脳などの神経は身体の神経回路を通して、筋肉に「手を動かしたい」と指示する
↓
その指示が筋肉に伝わることで、実際に手を動かすことができる
一般的には、「思い通りに身体を動かすことができる状態」=「運動神経が良い」と表現されており、一般的に連想される「運動神経」とは少し意味合いが異なりますね。
運動神経は何歳で決まる?
個人差はありますが、運動神経や運動能力の8割は5歳ごろまで、12歳ごろまでにほぼ完成すると言われています。
以下のグラフは、「スキャモンの発育曲線」と呼ばれているものです。生まれてから20歳になるまでの過程における、身長や臓器などの発育具合をグラフで示しています。
(出典:一般財団法人 日本口腔保険協会「児童福祉週間に子どもの健康を考えましょう」)
グラフを見て分かるように、リンパ型と神経型の発育は、2歳前後まで著しく伸び、4歳ごろまでに約8割、6歳までに約90%が形成されます。
さらに、この運動能力の変化は、年齢で段階的に分けられ、以下のような名称で呼ばれています。
- プレ・ゴールデンエイジ(4~8歳ごろ)
- ゴールデンエイジ(9~12歳ごろ)
- ポストゴールデンエイジ(13~15歳ごろ)
対象年齢 | 特徴 | 内容 | |
---|---|---|---|
プレゴールデンエイジ | 4~8歳 | 基本的な動作を身に付ける時期。 | さまざまな遊びやスポーツを通して、たくさんの動きや運動を経験。神経回路の発達が著しい。 |
ゴールデンエイジ | 9~12歳 | 人生で一番運動能力が洗練され、大きく成長しやすい時期。 | 新しい動きを素早く習得でき、効率的な動きができる |
ポストゴールデンエイジ | 13~15歳 | これまで身に付けた動作の反復練習をして、質を高めていく時期。 | 脳や骨格、筋力、心肺機能が発達し、複雑な動きが可能。以前に比べて発達スピードはゆるやかになり、運動神経の急激な成長は見込めない。 |
もちろん、これらの時期に限らず、大人になってからでも反復練習により、良いイメージを身体に覚え込ませることができれば、運動神経は向上する可能性もあります。
しかし、一度覚えた動きを新たに正しい動きに修正するのを妨げる「神経支配の縛り」があるため、大人になると新たな動きを身体が覚えにくく、吸収しにくくなるのです。
運動神経は、決して幼少期だけで決まるものではありません。しかし、幼児期に運動能力が大きく伸びることを考えると、幼少期の過ごし方は後の運動神経に大きな影響を与えると言えますね。
(参考:一般社団法人日本こども成育協会「げんきをつくる食卓 保護者支援のために-なぜ5歳までの食事が大切なのか? -幼児期に育みたい食習慣と食事の軸を考える①」)
1歳や2歳、3歳頃の活動が将来の運動神経の良し悪しを左右する?
先に述べた、「プレゴールデンエイジ」より前の1〜3歳の時期からたくさん体を動かし、運動能力を身に付けることももちろん重要です。
この時期の経験は、将来の運動神経に一定の影響を与えるとされ、それぞれの年齢に合った運動を経験することで、より発達は促されます。
年齢別に、発達動作の特徴と、運動神経を伸ばすおすすめおもちゃを見ていきましょう。
年齢 | 発達動作の特徴 | 運動神経を伸ばすおすすめおもちゃ |
---|---|---|
1歳 | 運動の基礎となる「歩く」「走る」をたくさん経験する |
|
2歳 | 身体が自由に動かせるようになる |
|
3歳 | 運動を積極的にすることを見据えて、運動を好きになることを目的に行う |
|
このように運動神経を伸ばすおもちゃといっても、年齢によってレベルや体の使い方に大きな違いがあることが分かります。
運動習慣を身に付けると、運動能力の向上以外にもケガや病気の予防にもつながります。
安全に過ごすためにも、幼少期からたくさん体を動かしていけるとよいでしょう。
2歳児の運動神経を伸ばすのに大切なことは?
「子供の運動神経を伸ばすには、専用のトレーニングが必要なのでは?」と思われがちですが、そんなことはありません。
運動神経を伸ばすのに大切なことは以下の3つです。
体を使って「遊ぶ」こと
子どもの運動能力を高めるには、さまざまな遊びを通して、全身の機能を使わせてあげることが大切です。
できるだけ多くの動作や運動を経験すること
同じスポーツや動きを繰り返すよりも、さまざまな動きを経験するほうが運動神経を身に付けるのに効果的です。
自発的に楽しく遊ぶこと
子どもが楽しんで遊べているかが重要なので、無理に遊ばせる必要はありません。
幼い時期からさまざまな遊びを経験させ、「遊びは楽しいものである」と認識させることが大切です。
また、運動神経が良いのは遺伝という説もありますが、運動神経は遺伝や生まれ持った才能だけで決まるのではありません。
子どもの運動能力の違いは、運動環境の違いにもあるようです。
スポーツ界で活躍するアスリートを例に出すと、よくわかるでしょう。
とりわけ運動能力が高い親族がいない家庭の子どもでも、幼少期から運動環境が整っていれば、めざましい運動能力を開花させることもあります。
2歳でわかる?運動神経のいい子の特徴は?
2歳ごろの子どもには、運動神経がいいかどうかなどの明確な特徴はありません。
なぜなら、成長面で個人差がある時期であるのと、単に経験不足であることも関係するからです。
特徴があるとしても、その多くは先天的に備わっている能力や、赤ちゃんからの経験による運動能力であることも多いのです。
2歳前後は、あらゆる発達や能力に差が出てくる時期。この時期から、しっかりと体を動かし、さまざまな運動や動作を経験できると良いですね。
運動をすることで脳へ刺激を与えられます。
このとき、脳を活発にさせる物質(BDNF)が分泌されるため、刺激を受けることで脳の発達にも結びつくようです。
これにより、思考力が高まる、集中力が高まる、認知機能が高まるなどの効果が得られると言われています。集中力がある人は、途中で飽きずに最後まで集中できることが多い傾向にあります。
一概には言えませんが、運動神経と頭の良さは何かしらの結びつきがあるのかもしれませんね。
2歳児向け!運動神経を伸ばすおもちゃ5選
2歳ごろになると、体を自由に動かせるようになり、運動神経を伸ばすのに適した時期であるといえます。
最近では、「スポーツトイ」と呼ばれる運動玩具が注目され、以下のようなメリットがあることで注目されていますよ。
- スポーツが苦手な子でも楽しめる
- ゴールデンエイジ期に良い影響を与える
- 親子でコミュニケーションが取れる
普段の遊びでは鍛えにくい「体幹」を鍛えることは、運動神経を伸ばすためにも大切です。
体幹は、幼いころからしっかりと鍛えることで、生活する上ではもちろん、将来経験するスポーツを行ううえでも役立ちますよ。
ここでご紹介する、2歳児向けの運動神経を伸ばすおもちゃも、体幹が鍛えられるものばかりなので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
バランスボード
バランスボードにはさまざまな形のものがありますが、2歳児が使うのに一般的なのは湾曲状の木製玩具です。耐荷重が100㎏以上のものが多く、とても丈夫なつくりになっています。
ボードを土台にしてごっこ遊びをしたり、ゆらゆらとリラックスして楽しんだりと、シンプルなのに遊び方は自由自在です。
遊び方
- 両足を載せてバランスをとる
- ボード上をハイハイしたり、左右に揺れたり、前後に揺れたりして楽しむ
- 両手両足をついて逆V字でバランスをとる
※しっかりと足でボードを踏み込むことが重要です。ボード上でバランスをとり、踏み込む力具合で体重移動をリズムよく行いましょう。
特徴
- アーチ状のボードが特徴
- シンプルな遊びなのに遊び方は豊富
- 大人でも楽しめる
期待できる効果
- 体幹が鍛えられる
- バランス能力が鍛えらえる
- 体の使い方がうまくなる
- 筋力アップ
- 腕力や背筋の発達
ジャングルジム
全身を使った遊びができ、最近では滑り台やブランコなどが組み合わさった複合遊具としても人気を集めているジャングルジム。アスレチックおもちゃとして人気を集めています。
頭を使う登り降りの動作には、運動能力だけでなく知育面においてもメリットがあると言われています。
遊び方
- 自分のペースでジャングルジムを登ったり降りたりして楽しむ
- 横移動して楽しむ
特徴
公園と違って、幼児用にできているので大きすぎず遊びやすくて安全
期待できる効果
- 全身の筋肉が発達する
- バランス感覚を養う
- 「どうやって登ろうか降りようか」と考える際に脳の発達も促す
- 足腰が鍛えられる
トランポリン
体幹を鍛えられるトランポリンは、「歩く」「走る」が定着してジャンプができるようになる2歳ごろに最適な玩具です。
体力の消費が著しく、室内でもしっかりと運動できますよ。
なかには、手すり付きのものもありますが、余計な突起物は子供のケガや危険につながる恐れがあるので気をつけましょう。
遊び方
- まずは不安定な場所に慣れることから始める
- トランポリンに乗って自由に体を動かす
- 慣れてきたら、歩いたりジャンプしてみる
特徴
運動量が多く、とても体力を使う
期待できる効果
- 体幹が鍛えられる
- バランス感覚を養う
- 柔軟性が身に付く
- 跳ぶ、浮く、着地の動作1つ1つのタイミングで、脳が活発にはたらく
- 腹筋や背筋を鍛えられる
ストライダー
2歳の外遊びのおもちゃとして、人気を集めるストライダー。
自分で何でもやりたいこの時期だからこそ、1人で乗れる感覚は、大きな自信にもつながります。
ブレーキがないものもありますが、握力の弱い2歳には本能的に足で止めることを身に付けさせます。
遊び方
- ハンドルの使い方を先に伝える
- はじめは大人が支えながら乗る
- 1人で乗れるようになったら見守る
特徴
- 対象年齢が1歳半からのものも多く、2歳児に適している
- 自転車よりも軽く、扱いやすい
- 自分の力で感覚的に乗れる
期待できる効果
- 筋力、体力の発達
- 体幹が鍛えられる
- バランス感覚や方向感覚が身に付く
ボール
ボールは外遊び用おもちゃの定番ですね。
ボール1つあればさまざまな遊びができ、身体の動かし方も多様なのでおすすめですよ。
ボールの大きさや種類は特にこだわらなくて大丈夫です。ボール遊びは、身体を動かしながら多くの情報を目から取り込みながら遊べるので、脳への刺激も期待できます。
遊び方
- 投げる・蹴る・キャッチ・転がすなどさまざまな動きを楽しむ
- 子供のレベルに合わせた遊びをする
特徴
- 大きさや素材など種類が豊富
- ボール1つでできる遊びがたくさんある
期待できる効果
- 足腰を強化する
- バランス感覚を養う
- 空間把握能力を身に付ける
ここでは、運動神経が伸びることが期待できるおもちゃを紹介してきましたが、決しておもちゃにこだわる必要はありません。
一番重要なのは、体を動かすこと。
おもちゃを使わず、公園に行って思い切り体を動かして遊ぶのも良いでしょう。2歳は、自立心が芽生える時期で、なんでも自分でやりたい気持ちが強いです。
自立心をしっかり満たしつつ、認めてもらう経験はとても重要です。体を動かす遊びを通して、向上心も育っていくと良いですね。
2歳児の発達には知育専用玩具も効果的◎
2歳にもなると、できる遊びが増えてきます。
今回紹介した、運動神経の発達を促す効果のあるおもちゃで遊べるようになるのも、2歳児ならではの特徴です。
思いっきり体を動かして遊ばせるのももちろん成長に良い影響を与えますが、知育専用のおもちゃで遊ばせるのも効果的です。
2歳児向けの知育専用玩具は多岐にわたり、想像力や考える力を養うものが多くなっています。
そうは言っても、「知育専用のおもちゃってどうやって選べばいいの?」「うちの子に合うか心配……」というママさんやパパさんも多いはず。
そんな方にはおもちゃのサブスクの利用がおすすめです。
おもちゃのサブスクであれば、知育専用玩具の取り扱いがあるのはもちろん、定期的におもちゃが送られてくるため、我が子に合わなければ別のおもちゃを試してみるということが簡単にできます。
また、おもちゃ選び専門のコンシェルジュが在籍しているサービスもあるので、「どのおもちゃで遊ばせたらいいか分からない!」という方でも安心です。
メリット盛りだくさんのおもちゃのサブスク。ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。