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お店屋さんごっこは、社会への興味を育むことができるごっこ遊び。
何も考えずに楽しく遊ぶこともできますが、知育のことを考えるのなら、そのねらいを明らかにしておいたほうが効果的です。
今回は、お店屋さんごっこのねらいや、お店屋さんごっこを行う際のポイントなどについて詳しくご紹介します。
お店屋さんごっこを家庭で導入するときのポイント
保育園や幼稚園でもよく行われるお店屋さんごっこ。慣れればご家庭でも気軽に楽しめる遊びですが、最初はうまくできない子もたくさんいます。
ここで、お店屋さんごっこを始めるときのポイントを3つご紹介します。ぜひ導入の際の参考にしてみてくださいね。
絵本で慣れる
お店について言葉で理解するのが難しい年齢でも、絵本なら目で見てわかるので、すんなりとお店屋さんごっこができるようになることがあります。読み聞かせ自体が知育にもなるので、準備段階としておすすめです。
また、買い物の楽しさに気づくきっかけにもなるので、お店屋さんごっこに前向きに取り組んでもらいやすくなります。
「おみせやさん」「おかいもの」などをテーマにした児童書は多いので、かんたんに見つけられるのもポイントですよ。
手遊び歌で慣れる
音に合わせて言葉や動きを覚えられる、手遊び歌もおすすめです。
1〜2歳児は、つかう物のイメージが膨らむ「あんぱん食パン」など、3歳児を超えると「やおやのおみせ」など、すこし難しい手遊び歌を取り入れるといいでしょう。
もし動画をみせることに抵抗がないのであれば、YouTubeなどを使って慣れるのもよいかもしれませんね。
おままごとで慣れる
やさいや包丁などの知育玩具を使った、おままごとの延長として始めるのも方法のひとつ。おままごとは「家事をするママやパパの真似事」なので、子どもがイメージしやすい遊びです。
例えば、お子さんがトマトを持っていたら、「八百屋さんみたいだね。トマトをひとつください」などと声掛けをします。
もちろんかんたんには理解できないかもしれませんが、興味を持つきっかけになることもありますよ。
【年齢別】お店屋さんごっこのねらい
お店屋さんごっこはなんとなくでも十分に楽しい遊びですが、そのねらいを理解をしておくことで多くを学べて、有意義な時間を過ごせます。
遊びのねらいは成長にあわせて変化させるのが好ましいため、ここでは年齢別に、「お店屋さんごっこのねらい」をまとめました。
1歳児のお店屋さんごっこ
まだ遊びの全体像を理解できない年齢なので、「親子のスキンシップ」が主なねらいになります。しくみがよくわかっていなくても、ママやパパと物を受け渡しするだけでお子さんの感覚を刺激できます。
また、2歳以降のお店屋さんごっこを充実させるため、「お店屋さんごっこに慣れること」もねらいの一つといえます。
2歳児のお店屋さんごっこ
コミュニケーション能力の成長が著しい時期なので、「会話を楽しませること」が、ねらいとして考えられます。「いらっしゃいませ」「それください」「どうぞ」「ありがとう」などのやりとりを積極的にしてみるとよいでしょう。
また、レジでの「ピッ」などお店で行われる作業をなんとなく理解させることや、好きなものを受け渡すことで興味を持ってもらうことも、ねらいといえます。
3歳児のお店屋さんごっこ
3歳は「心の豊かさを育むこと」をねらいと考えるのが適切な時期です。
とくに、喜びの循環を意識しましょう。3歳という年齢は「喜んでもらいたい」という感情が育まれる時期といわれます。好きなものを渡す・渡されると嬉しい表情をすることが多くなるので、ありがとうや嬉しいといった、温かい言葉のやりとりが効果的ですよ。
4歳児のお店屋さんごっこ
4歳になると「お金や数字への関心を引き出すこと」が主なねらい。お店で何かを買うときにはお金を払う、という流れを理解できるようになるため、金額を決めて遊ぶようになってきます。
5歳児のお店屋さんごっこ
5歳になると実際に買い物を経験する機会もあるので、その練習を目的にするとよいでしょう。
お買い物バッグやお財布などを活用して、できるだけ本物のお店に近づける構成や演出を意識すると、お子さんの意欲はきっと高まりますよ。
また、お店屋さんごっこの延長として「お金の教育につなげること」もねらうと、その後の教育にプラスに働くことがあります。
異年齢の子ども達が関わりあって行うお店屋さんごっこにもメリットがあります。
年上の子は、年下の子をみて「お世話をしたい」という気持ちが生まれたり自主性が刺激されたりする様子。年下の子は、年上の子をみて遊びをイメージしたりママやパパとの違いを感じたりします。
そのため、あえて年長さんが年少さんに遊び方を教えている園もあるようですよ。
お店屋さんごっこで配慮すべきことは?
保育園や幼稚園などで行なわれるお店屋さんごっこの場合、かんたんなルールが決められています。もし自由になりすぎると飽きてしまうのが早かったり、自己中心的な遊びになってしまったりすることがあるからです。(1〜2歳くらいまではそれでもOKです。)
なので、最低限の配慮として、遊びの形式を決めておくことがポイントになります。難しいルールではなく、「ください」「どうぞ」の掛け声を行うことや、どんなお店屋さんなのかイメージを膨らませてから遊ぶことなどで十分に効果が期待できますよ。
産まれてきたばかりで、分からないことだらけの0歳児。お店という概念も定着していない場合がほとんどでしょう。ですので、お店屋さんごっこができないことのほうが多いかもしれません。
ただ、似たような遊び方ができないわけではありません。なんとなく物を渡して、返してもらって、そこに掛け声を加えるだけで、ママさんやパパさんの気持ちが赤ちゃんに届くはずですよ。
お店屋さんごっこのアイデア・遊び方
ここで、今すぐにはじめられるお店屋さんごっこのアイデアをご紹介します。
年齢ごとに意識したい遊び方に分けていますので、お店屋さんごっこを行う際の参考にしてくださいね。
やりとり遊び(1歳児・2歳児向け)
<必要なもの>
- 家庭にあるもの(準備物不要)
<遊び方>
- おもちゃを分類して、並べる。
- 野菜を並べた場合は八百屋さんとして、花を並べた場合はお花屋さんとしてお店を開く。
- 店員・お客さんのどちらがしたいか、お子さんに尋ねる。
- 「〇〇をください」「どうぞ」という流れでやりとりをする。
1〜2歳児の場合だと、準備時間や待機時間を退屈に感じる場合が大半でしょう。そのため、いつものおままごとの流れでお店屋さんごっこを体験させるのがポイント。お店屋さんごっこのイメージを育む、基盤作りの時期と考えるとよいでしょう。
専門店ごっこ遊び(3歳児・4歳児向け)
<必要なもの>
- お子さんが販売したいもの(制作してもよい)
<遊び方>
- 売りたいものを並べる。
- 店員・お客さんの役割分担をする。
- 「いらっしゃいませ」などのあいさつで遊びをはじめる。
- 「ください」「どうぞ」「ありがとう」のやりとりを意識する。
3〜4歳児は、どのような人がどのような言動で、どのようなものを販売するのかを理解しています。そのため、より具体的なやりとりを展開させるのがおすすめ。
この時期にお店屋さんごっこを経験しているお子さんは、お店でも「ありがとう」と口にする子が多い様子。社会性が育まれていると実感する場面ですね。
レジごっこ遊び(5歳児向け)
<必要なもの>
- お子さんが販売したいもの(制作してもよい)
- お金やチケット(おもちゃ・手作りどちらでもよい)
<遊び方>
- お店の準備とお金などの準備をする。
- 「いらっしゃいませ」の声でスタートする。
- お金やチケットのやりとりをしてから、商品を渡すようにする。
- 「どうぞ」や「ありがとう」の掛け声も意識する。
お金のやりとりにも興味を抱きはじめる5歳児。そのため、手作りのお金やチケットなどを使ってやりとりをするのがおすすめです。「なにかを購入するにはお金が必要」という学びになるだけでなく、数字についても親しみを感じるようになりますよ。
専用のおもちゃがあれば、お店屋さんごっこはもっと充実!
お店屋さんごっこで遊べるおもちゃを増やすと気分が高まり、知育効果UPも期待できます。できればおもちゃは果物や野菜、お花などを模した、わかりやすいものがおすすめです。もちろん、安全性も欠かせません。
ところが、お店屋さんごっこにぴったりの木のおもちゃは値段が高く、いろいろ揃えるのがむずかしいこともあります。
そんなときにおすすめしたいのが、サブスクの利用です。おもちゃのサブスクなら高価な木製玩具も定額で利用できるので、コスパもバッチリです。
お子さんが気に入らない場合は交換ができるので無駄にもならず、遊べるおもちゃの幅を広げる手段としておすすめなので、ぜひこの機会にチェックしてみてはいかがでしょうか。