家庭でできるお店屋さんごっこのねらいと年齢別の遊び方・親の声かけ例
「お店屋さんごっこをやってみたいけど、うちの子にはまだ早い?」「何を用意すればいいか分からない」という声は、おもちゃコンシェルジュとしてよく耳にします。
お店屋さんごっこは1歳ごろから親子のやり取りとして始められ、3歳前後になると役割のある遊びとして自然に広がっていきます。最初はレジも本物のお金も不要で、「どうぞ」「ありがとう」の受け渡しだけで十分です。
この記事では、何歳から始められるか・何が育つか・家庭では何から始めるかの3点にまず答えてから、年齢別の声かけ例と発展ステップを整理します。読み終えたとき、「うちの子は今どの段階か」「今日どんな声かけをすればいいか」「何を用意すればいいか」の3点が決まっている状態を目指しています。
- 始める時期を判断する目安
- 家庭でのねらい(言葉・想像力・社会性が育つ仕組み)
- おままごとからお店屋さんごっこへの発展ステップ
- 子どもが飽きたとき・ケンカになったときの対処
お店屋さんごっこは何歳から始められる?
目安は1歳ごろから、親子のやり取りとして少しずつ始められます。最初は「どうぞ」「ありがとう」の物の受け渡しだけで十分で、本格的な役割のある遊びは3歳前後から自然に広がっていきます。年齢より「物を渡せるか」「短い言葉でやり取りできるか」という今の様子で判断するのが自然です。
「何歳から」と聞かれると、つい「○歳になってから」と考えてしまいますが、ごっこ遊びは段階的に育っていくものです。下の表を参考に、今のお子さまがどの段階にいるかを確認してみてください。
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迷ったら、今のお子さまが「物を渡す・受け取る」ができているかどうかを見てみてください。それができていれば、お店屋さんごっこの入口に立っています。
1〜2歳ごろ(物の受け渡しとやり取りを楽しむ段階)
この時期は、「お店屋さんごっこ」という形にこだわらなくて大丈夫です。おままごとのお皿を「どうぞ」と渡す、受け取って「ありがとう」と返す。この繰り返しが、ごっこ遊びの土台になります。
親が「いらっしゃいませ〜」と声をかけてみると、子どもが真似し始めることがあります。言葉が出なくても、物を持ってきて差し出す動作が「どうぞ」の意味を持っています。模倣と受け渡しを楽しむことが、この時期の遊びのねらいです。
2〜3歳ごろ(短い言葉でやり取りを楽しむ段階)
「いらっしゃいませ」「ください」「どうぞ」「ありがとう」など、短いやり取りが楽しめるようになってきます。言葉の数より、やり取りのリズムを楽しむことが大切です。
この時期は、親が先に店員役をやって見せると、子どもが自然に真似し始めます。「これはなんですか?」と聞くと、子どもが一生懸命答えようとする姿が見られます。完璧なやり取りでなくても、会話のキャッチボールが続くことを楽しんでください。
3〜4歳ごろ(役割を理解して演じる段階)
「店員さん」「お客さん」という役割の違いを理解し、自分でどちらをやりたいか主張するようになります。「わたしが店員さんね!」と宣言する姿が見られたら、この段階に入っています。
役割を交代することへの抵抗が出てくる時期でもあります。「次はお客さんをやってみよう」と提案しながら、両方の役を経験できるよう声をかけてあげると遊びが広がります。
4〜5歳ごろ(ルールや値段を自分たちで決める段階)
この時期になると、品物・値段・順番・ルールを自分たちで相談しながら決めようとします。「このりんごは100円ね」「お金はこれを使おう」と、遊びの中でルールを作る姿が見られます。
保育所保育指針では、この時期の遊びは「協同性」や「見通しを持った遊び」と関係するとされています。友達や家族と相談しながら遊びを作り上げる経験が、社会性の土台になっていきます。親は少し引いて、子どもたちが決めるのを見守る役割に移っていくと遊びが深まります。
家庭でのお店屋さんごっこで育つこと
お店屋さんごっこでは、言葉でやり取りする力・役になりきる想像力・順番やルールを意識する社会性が、遊びの中で自然に育ちます。こども家庭庁が定める保育所保育指針でも、ごっこ遊びは「言葉」「人との関わり」「表現」「環境」に関わる遊びとして位置づけられており、家庭での親子遊びでも同じ力が育ちます。(出典:こども家庭庁『保育所保育指針』令和元年施行版)
やり取りを楽しむ力(言葉・コミュニケーション)
「ください」「どうぞ」「いくらですか?」「ありがとうございます」。お店屋さんごっこには、日常会話で使う言葉が自然に詰まっています。
遊びの中で言葉を使う場面が繰り返されることで、言葉に触れる機会が増えます。親が「おすすめはどれですか?」と聞くと、子どもが答えようとして言葉を探します。この「答えようとする」経験が、言葉の発達を支える土台のひとつになりやすいです。
ただし、言葉の発達には個人差があります。言葉が少なくても、物を渡す・指差す・うなずくといった動作でやり取りできていれば、遊びとして十分成立します。
役になりきる力(想像力・見立て)
空き箱を商品に見立てる、折り紙をお金に見立てる。お店屋さんごっこは「見立て遊び」の宝庫です。
「これはケーキ屋さんね」と決めた瞬間、子どもの中で空き箱がケーキに変わります。この「ないものをあるように見立てる」力が、想像力の土台になります。ごっこ遊びを通じた想像力の発達は、保育の場でも重視されています。
順番やルールを意識する力(社会性・協同性)
お店屋さんごっこには、「順番を待つ」「役割を交代する」「相手の言葉を聞いて答える」という社会的なやり取りが自然に含まれています。
「次の人が来たから、先に対応してあげよう」「お金を渡してからもらう」といった流れを、遊びの中で体験します。ルールを教えるより、遊びの中で自然に気づいていく経験のほうが、子どもには身につきやすいです。
おままごとからお店屋さんごっこへの発展ステップ
おままごとで物を並べたり渡したりできるようになったら、お店屋さんごっこへの準備が整ってきたサインです。「これください」「どうぞ」の短いやり取りを親が先に見せてあげると、子どもが自然に役割を真似し始めます。
おままごとで遊んでいる最中に、親が「いらっしゃいませ〜、何にしますか?」と声をかけるだけで、自然にお店屋さんごっこに移行することがあります。子どもが乗ってきたら続け、乗ってこなければまたおままごとに戻る。その繰り返しで、少しずつ発展していきます。
お子さまが今どの段階にいるかを判断するチェックリストと、次のステップへの進め方は、以下の記事で詳しく解説しています。
→ おままごと・お買い物ごっこ・お店屋さんごっこの発展チェックリストと移行タイミングの目安
お店屋さんごっこのねらいや保育の視点については、こちらの記事も参考になります。
→ お店屋さんごっこのねらいと保育的な視点
おままごとの基本から始めたい場合は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
→ おままごとは何歳から?年齢別の遊び方と選び方
家庭で今日から始める準備と最初の一歩
レジや本物のお金は最初から用意しなくて大丈夫です。家にある空き箱・紙袋・おままごと道具・折り紙で作った品物があれば今日から始められます。準備に時間をかけるより、親が「いらっしゃいませ」と声をかけて遊びを始めるほうが、子どもは喜びます。
最小限の準備物(家にあるもので十分)
最初に用意するものは、本当に少しで大丈夫です。
- 品物になるもの:空き箱・紙袋・おままごとのフードセット・折り紙で作ったもの
- お金になるもの:折り紙を丸めたもの・厚紙に数字を書いたもの(本物の硬貨は使わない)
- レジになるもの:空き箱・お菓子の缶・なくてもOK
- 袋になるもの:紙袋・布袋・なくてもOK
「完璧なセットを用意してから始めよう」と思うと、なかなか始められません。今あるおままごとのフードセットを並べるだけで、立派なお店になります。
最初の遊び方の流れ
初めてお店屋さんごっこをするときは、親が先に店員役をやって見せるのがスムーズです。
- おままごとの食材やおもちゃを並べて「お店」を作る
- 親が「いらっしゃいませ〜、何にしますか?」と声をかける
- 子どもが指差したり持ってきたりしたら「はいどうぞ」と渡す
- 「ありがとうございます」と言って、やり取りを楽しむ
- 慣れてきたら「次は交代しよう」と役を入れ替える
最初はこれだけで十分です。子どもが「もっとやりたい」という様子を見せたら、少しずつ品物を増やしたり、お金のやり取りを加えたりしていきましょう。
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親の声かけについて
親の声かけ一つで遊びの広がり方が変わります。子どもが答えやすい問いかけを選ぶと会話が続きやすいです。
年齢別の具体的な声かけセリフと場面別対処方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
→ 2〜3歳のお店屋さんごっこで親がどう関わればいいか
子どもが飽きたとき・ケンカになったときの対処
遊びが止まったときは、親が新しいお客さん役で登場したり、「今日は何屋さんにする?」と子どもに決めさせたりすると再び動き出すことがあります。ケンカになった場合は役割を一度リセットし、「次は交代しよう」と提案するのが自然な収め方です。
よくある「飽きのパターン」と対処のヒントは次のとおりです。
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遊びが長続きしないことを心配しなくて大丈夫です。5〜10分で終わっても、その中でやり取りが生まれていれば十分な遊びになっています。
安全に遊ぶための小道具選びのポイント
小さなビーズ・本物の硬貨・尖った素材は誤飲や怪我のリスクがあるため、3歳以下のお子さまがいる場合は避けたほうが安心です。食品アレルギーにつながる本物の食材を品物として使うことも控えてください。紙・布・大きめの空き箱など、口に入れても安全な素材を選ぶと安心して遊べます。
特に気をつけたい点は次のとおりです。
- 本物の硬貨:誤飲のリスクがあります。折り紙・厚紙で作ったお金を使いましょう
- 小さなビーズ・ボタン:直径3cm以下のものは誤飲リスクがあります。3歳以下のお子さまには使わないほうが安心です
- 尖った素材:竹串・つまようじ・金属の端が出た素材は避けてください
- 本物の食材:食品アレルギーのリスクがあります。おままごとのフードセットや折り紙で代用しましょう
- ビニール袋:窒息のリスクがあります。紙袋・布袋を使いましょう
市販のおままごとセットやレジスターおもちゃは、対象年齢が設定されています。購入前にメーカー公式情報で対象年齢を確認してから使うと安心です。
お店屋さんごっこでよくある質問
1歳ごろから、親子のやり取りとして少しずつ始められます。最初は「どうぞ」「ありがとう」の物の受け渡しだけで十分で、本格的な役割のある遊びは3歳前後が目安です。年齢より「物を渡せるか」「短い言葉でやり取りできるか」という今の様子で判断するのが自然です。
空き箱・紙袋・おままごとのフードセット・折り紙で作った品物があれば今日から始められます。レジや本物のお金は最初から用意しなくて大丈夫です。準備に時間をかけるより、親が「いらっしゃいませ」と声をかけて遊びを始めるほうが、お子さまは喜びます。
おままごとは物を並べたり渡したりする遊び、お店屋さんごっこは役割を持って会話するやり取りの遊びです。おままごとで「どうぞ」「ありがとう」ができるようになったら、親が「いらっしゃいませ〜、何にしますか?」と声をかけるだけで自然に発展します。段階を飛ばさず、今の遊びを十分に楽しむことが次への移行につながります。
5〜10分で終わっても、その中でやり取りが生まれていれば十分な遊びになっています。飽きてきたら、親が新しいお客さん役で登場したり、「今日は何屋さんにする?」と子どもに決めさせたりすると再び動き出すことがあります。毎回長く続けようとしなくて大丈夫です。
2歳ごろは親が先に店員役をやって見せる「モデル役」が中心です。3歳ごろは役割交代を提案しながら一緒に遊ぶ「参加役」に移ります。4歳以降は子どもが自分でルールを決めるのを見守る「サポート役」に引いていくのが自然です。お子さまが「自分でやりたい」という様子を見せたら、少し引いてみてください。
本記事で使用している「継続利用データ」「利用者アンケート」は、キッズ・ラボラトリーの利用者対応・交換リクエスト・アンケート回答をもとに、個人が特定されない形で集計したものです。対象期間、件数、集計方法はデータと実績|公式ファクトに記載しています。
参考文献
- こども家庭庁「保育所保育指針」(令和元年施行)(2026年7月確認)
- こども家庭庁「保育所保育指針解説」(令和元年)(2026年7月確認)
- こども家庭庁『保育所保育指針』令和元年施行版(2026年7月確認)
- 経済産業省「乳幼児用玩具に対して新しい規制が導入されました」(2025年12月)(2026年7月確認)
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