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小さな子どもの発達において、指先が自由に使えるようになることは、とても意義のあることです。とはいっても、「指先と子どもの成長が、どう関係するの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、「指先の知育」について詳しく説明します。子どもの指先の発達に役立つおもちゃの選び方や、おすすめおもちゃをランキング形式で紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
指先の知育のコツをつかんで、子どもの能力を伸ばしていきましょう。
指先を使った知育の効果は?
子どもに指先の知育をしたときのメリットについて、押さえておきましょう。
具体的には、以下の3つが挙げられます。
脳の発達に良い影響を与える
人間の脳には、数百億ともいわれる膨大な数の神経細胞があります。
神経細胞と神経細胞は、シナプスと呼ばれるネットワークで結ばれていますが、生まれたばかりの赤ちゃんは、神経細胞はつながっていません。シナプスは、乳幼児期に環境からの刺激を受けることで、急速に形成されていくからです。
脳への刺激は、五感を通して伝わります。特に手指は、大きな役割を担う部分です。乳幼児期に指先を使うことがシナプスの形成を促し、脳は成長していきます。
参考:
乳幼児期を大切に ~子どもの発達の科学的知見と親の学習支援|東京都教育委員会
幼児期から児童期に基本的な生活習慣や規 範意識を身に付けることの重要性について|奈良県立教育研究所
身の回りのことが自分でできるようになる
指先が発達した2歳ごろになると、身の回りのことを自分でしようとする姿がみられるようになります。たとえば、次のようなことです。
乳幼児期にできるようになることの例
- スプーンや箸を使って食べる
- 歯磨きをする
- ボタンを留める
- せっけんを泡立てて手を洗う
- 鉛筆で線を書く
- ハサミを使う
指先を使うことは、上記のような日常生活に必要なスキルを身に付けることにも役立ちます。
集中力が養える
文部科学省の資料では、学力をつけるために幼児期に育成すべきことの1つとして「学びに向かう力(興味を持ち、集中し持続し挑戦し、粘り強く取り組む)」を挙げています。
集中力を養うのは難しいものですが、その方法の1つが指先を使うことです。
子どもは、面白いものや興味をひかれるものに出会うと夢中で遊びますが、指先を使うと、自然に集中できるようになります。つまり、夢中になれる時間こそが、集中力をつける土台だということです。
引用:育成すべき資質・能力とは|文部科学省
【年齢別】指先の発達段階とおすすめの知育・指先遊び
指先は少しずつ発達していくので、0歳と2歳ではできることもずいぶん違います。ここでは、0歳・1歳・2歳の指先の発達段階と、それぞれの年齢に合った遊びを紹介します。
知育おもちゃを選ぶときや、子どもとの遊びを考えるときの参考にしてください。
0歳の指先知育
0歳児は、短い期間でめざましい発達をみせます。生まれたばかりのころは、1日のほとんどを眠って過ごしますが、1年もすればつかまり立ちをし、歩き始める子もいるほどです。
急速な体の発達と指先の動きがリンクするように、指先の知育をしていきましょう。
指先の発達 | 適した遊びやおもちゃの例 |
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周囲の物に興味を示し触れようとする | タオル地など柔らかいおもちゃに触れる・大人の指を握る |
つかむ・振る・手に持った物を離す | ラトルなど音の鳴るおもちゃ・布製積み木・ポットン落とし |
引き出す・指先で押す・親指と人差し指でつまむ | 箱の中から布やおもちゃなどを引き出す・ボタンを押す・大きめのシールを貼ったりはがしたりする |
1歳の指先知育
歩けるようになって行動範囲が広がる1歳は、自分から周りの世界に関わろうとする意欲も育つ時期です。
手指が器用になって遊びの幅が広がるので、興味をもったことにじっくり取り組む姿もみられるようになります。子どもが好きな遊びを中心に知育をおこない、指先の発達を促しましょう。
指先の発達 | 適した遊びやおもちゃの例 |
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積む・長く並べる・なぐり描きをする | 積み木・クレヨンで描画 |
めくる・こねる・小さな物をつまむ | 絵本・小さめのシール・型はめパズル・新聞紙を破る・洗濯バサミを外す・小麦粉粘土に触る |
左右の手を協調して動かす・手首を回転させる・目と手を協応させる | おもちゃの鍵を開ける・フタをねじって開ける・棒を通す・おもちゃを入れたり出したりする |
2歳の指先知育
2歳になると言葉の数がぐんと増え、イメージを膨らませて遊ぶようになります。ごっこ遊びやみたて遊びが楽しい時期なので、指先の知育でも、子どもの想像力が生かせる遊びを取り入れましょう。
指先の発達 | 適した遊びやおもちゃの例 |
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ねじる・ちぎる・高く積む | 粘土・ボルトとナットのように組み合わせる形状のおもちゃ・積み木・貼り絵 |
指先を細かくコントロールできる | 折り紙で二つ折りや四つ折りをする・ひもを通す・泥だんご遊び・ボタンはめ |
用具を使うことができる | 鉛筆やペンで描く・のりやテープで貼る・ハサミで切る |
指先の知育にぴったりのおもちゃの選び方
指先を使うことの大切さや必要性がわかると、おもちゃは指先の知育につながるものを用意しようと思うママさんやパパさんも多いかもしれません。とはいえ、さまざまなおもちゃがあり、どれを選べばよいのか迷ってしまうこともあるでしょう。
そこで、選び方のポイントをまとめました。
年齢や発達に合っている
指先の知育おもちゃを選ぶときは、子どもの年齢や発達に合っているものを選びましょう。
とくに0歳児や1歳児は、手に持ったものを口に入れてしまうことも多く、誤飲に注意が必要です。
また、年齢に合っていないおもちゃはけがにつながることもあります。安全のためにも、以下を念頭に置き、年齢に合ったおもちゃを準備してください。
- 直径が4cmより小さなおもちゃは、飲み込んでしまうおそれがある
- 鋭い角のあるおもちゃや、重すぎるおもちゃは、けがの危険がある
- 衛生を保つため、手入れや消毒のしやすさを確認する
参考:「えっ?そんな小さいもので?」子どもの窒息事故を防ぐ!| 政府広報オンライン
子どもの好みに合っている
1歳後半から2歳くらいになると、個性や子どもの好みがはっきりしてきます。
たとえば、電車や昆虫、恐竜など特定の対象に興味を示すこともあれば、「ピンクが好き」など色にこだわりをみせることもあるでしょう。
そういった好みを考慮して指先を使うおもちゃを選べば、子どもも興味を持ちやすくなります。
子どもが電車好きなら、車両を連結させたり線路を組んだりして遊ぶことが、指先の訓練になるでしょう。ままごとが好きなら、料理ごっこができるおもちゃが、指先の知育になります。
子どもの好みに合わせれば、「楽しい、もっとやりたい」という気持ちも芽生えてくるはずです。
遊び方を自由に工夫できる
子どもの自由な発想を生かし、遊び方の工夫ができるおもちゃを選ぶこともポイントの1つです。
たとえば積み木やブロックは、年齢が進むにつれて遊び方が変わります。0歳のころは触ったりなめたりするだけだったのが、1歳になると積み上げたり並べたりして遊ぶようになるでしょう。
さらに成長すれば、色や形で分類したり、複雑な形を作ったりと、自分の世界を広げて遊べるようになります。
家庭で指先の知育をするときのポイント
家庭で指先の知育をするとき、親はどのようなサポートをすればよいのでしょうか。
子どもが楽しく指先の力を伸ばせるように、親が心がけるとよいポイントを3つ紹介します。
親も子どもと一緒に遊ぶ
1つは、子どもが「面白そう!やってみたい!」と好奇心が持てるように、親も一緒に遊ぶことです。親が楽しむ姿を見せれば、子どもも興味関心をもちやすくなります。
正しいやり方を説明する必要は、ありません。教えようとしなくても、子ども自らが興味をもてば、親の指先の動きを見て、まねをしようとするはずです。その自主性を大切にしましょう。
出来上がったものを飾る
ブロックを組んだり、絵を描いたり、折り紙を折ったり、指先を使った遊びでは、小さな「作品」が仕上がります。
その作品を、リビングの棚などに飾ってあげることも、指先知育のポイントです。
飾ることで、子どもは満足感や達成感を得ることができます。親に認めてもらえたという経験は、子どもにとっては大きな喜びです。指先を使う活動にも、さらに意欲的に取り組むようになるでしょう。
指先の知育に合った環境を整える
指先を使う知育を進めるには、子どもが集中して遊べる環境づくりもポイントです。
子どもがしたいと思ったときにすぐ取り組めるように、おもちゃや用具をそろえておきましょう。活動に集中できるように、テレビを消すなどの配慮も必要です。
また、指先を使う遊びは時間がかかるものも多いので、短い時間では完成できなかったり、満足感が得られなかったりすることがあるかもしれません。そのようなことのないように、ある程度まとまった時間を確保することも心がけましょう。
指先の知育におすすめの知育おもちゃランキング
ここまでのことを踏まえ、指先の知育におすすめの知育おもちゃを3つ紹介します。
楽しさと知育効果の両方を備え、子どもが喜んで指先を使えるおもちゃを選びました。
【3位】ジョイパレット(JOYPALETTE):おしゃべりじはんき! アンパンマンのジュースちょうだい!!
アンパンマンの顔が正面にデザインされている、高さ20cmほどの自動販売機のおもちゃです。ピピピという電子音、アンパンマンやバイキンマンの声とともに、ジュースやお茶が出てきます。
コイン投入口にコインを入れたり、レバーを押したり、お釣り返却レバーを回したりして遊べるので、つまむ、押す、ひねるなどの指先を使う細かい動作の練習になるでしょう。ジュース屋さんになったり、ままごと遊びに使ったりと、ごっこ遊びでも活躍します。
なお、コインやジュースの部品は小さいので、誤飲の防止のためにも対象年齢には注意してくださいね。
対象年齢:3歳から
【2位】あおぞら(Aozora):ベビーコロール ベーシック・アソート 12色
コロンとした形がかわいいクレヨンです。カラフルな色と形に、子どもの手も自然に伸びるでしょう。描くだけでなく、握ったり並べたりして遊ぶことも可能です。
丸い形は小さな手でも持ちやすく、棒状のクレヨンよりもしっかり握れます。しっかり握ることは指先の力をつけるだけでなく、線や円を描く練習にも役立つでしょう。イメージしたものを描くことで、表現する楽しさも味わえます。
また、体に無害な素材で作られているので、子どもがなめても安心です。手や服につきにくいこと、洗濯で汚れが落としやすい点も親にとっては助かります。
対象年齢:2歳から
【1位】学研ステイフル:Gakkenニューブロック はじめようセット
誤飲の心配のない大きさや素材の柔らかさなど、安全面に配慮した1歳半から遊べるブロックです。
ブロックを組み立てるときは、考えながら指先を操作します。また、ブロックは、外すときにも指の力が必要です。組むときも外すときも、指先のトレーニングができます。
成長とともに意図したものを作れるようになるので、ごっこ遊びへ発展させることもできるなど、長く遊べる点が、ブロックのよさです。親も一緒に組み立てれば、手を使って作る楽しさを共有できますね。
対象年齢:1.5歳から
指先の知育はおもちゃのサブスクでスタートするのもおすすめ◎
子どもの心身の成長に欠かせない指先の知育。脳の発達が著しい乳幼児期にこそ、取り組ませてあげたいものですね。親子で遊べば、子どもの成長も実感できるでしょう。
おもちゃを選ぶポイントとして、子どもの発達や好みに合っていること、安全性を挙げました。
そうはいっても、いざおもちゃを購入するとなると、難しさを感じることもあるでしょう。せっかく購入したのに遊んでくれなかったり、すぐに飽きてしまったりしても困りますね。
そこでおすすめしたいのが、おもちゃのサブスクです。
指先を使う知育おもちゃをサブスクなら、いろいろなおもちゃを試しながら、子どもの好みや好きな遊びを見つけることができます。遊ばないおもちゃは返却すればよいので、家に溜まっていかないのも、ありがたいポイントです。
指先の知育では、おもちゃのサブスクも選択肢の1つとして、じょうずに活用してくださいね。きっと、子どもにぴったりのおもちゃが見つかりますよ。