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「子どもがかわいくて、ついおもちゃを買い与えすぎてしまった」
「子どもと遊ぶのが大変で、ついおもちゃに頼ってしまう」
子育て中のママさんやパパさんにはよくあるお話です。そして、それといっしょに出てくるお悩みが、「おもちゃの与えすぎ」について。
子どもたちの知育にも役立つおもちゃですが、与えすぎても問題はないのでしょうか。おもちゃの適正量や与えるタイミングについて考えてみましょう。
子どもにおもちゃを与えるメリット
まずは、子どもにおもちゃを与えるメリットについて考えます。
子どもにとって「遊び」は、楽しいだけでなく、学びや気づき、成長に欠かせないものです。そしておもちゃは、その「遊び」をより楽しく、より成長につながるように補助をしてくれます。
たとえば、カラフルなおもちゃや冷たいおもちゃ、やわらかいおもちゃなどは、かんたんに五感を刺激してくれます。もちろん、おもちゃでなくても子どもの五感は刺激できますが、とても手軽なので、そのぶんのメリットは大きいでしょう。
また、すこし工夫が必要なおもちゃで遊ぶことは、考えながら指先をたくさん動かすので脳の刺激につながります。いわゆる知育の観点でも、おもちゃがあればかんたんに知育効果を高められます。
ママさんやパパさんの目線からみると、子どもを遊ばせておくことで少しだけ休みやすくなることもメリットですね。
- 遊びをより楽しくしてくれる
- 知育効果が高くなる
- ママやパパが少し休みやすくなる
子どもにおもちゃを与えすぎる影響とは?
さて、子どもにおもちゃを与えることのメリットは大きいのですが、与えすぎはよくないのでしょうか。
むずかしい問いですが、「与えすぎによって悪影響があるとは言えない」が結論です。たくさん与えても子どもがすべて使うとは限りませんし、たくさんあっても物を大切にできる子はいます。
それでもあえてデメリットをあげるなら、次の4つが考えられます。
- 注意力が散漫になりやすい
- 片づけの習慣を育みにくい
- 子どもの欲求のすり替えが起きやすい
- 怪我の原因になりやすい
注意力が散漫になりやすい
子どもの集中力は長くはありません。たくさんおもちゃがあることで、次から次へ視覚的な刺激が入り、1つのおもちゃでじっくりと遊ぶということを妨げるおそれがあります。とくに0歳〜2歳の低年齢時にはよくあることです。
アメリカで、子どもたちにたくさんのおもちゃを与えるグループと少量のおもちゃを与えるグループに分け、その姿を観察するという研究が行われています。この研究によると、少量のおもちゃで遊ぶ子どもたちのグループは1つのおもちゃでじっくりと遊び、また、いろいろな工夫をして遊ぶ姿が見られたというのです。
じっくりと遊ぶということは、子どもの成長において大切なことです。質の高い遊びのためには、おもちゃを与えすぎないほうがよいこともありそうですね。
また、もしたくさん遊んでほしい知育玩具などがあったら、工夫もなく、次々に違うおもちゃで遊ばれてしまうともどかしいですよね。そういった方は、与えるおもちゃの数を絞ったほうがよいでしょう。
片づけの習慣を育みにくい
子どもは、片付いた状況をイメージしたり、片づける場所を認知したりする能力が未発達です。そのため、おもちゃが増えると片づけることが難しくなり、子どもが自身の手で片づけをする習慣が身に付きにくくなるかもしれません。
片づけも子どもの成長において大切な行動なので、おもちゃを買いすぎた場合は、絵表示や場所の統一などの工夫をして整理してあげるとよいですよ。
子どもの欲求のすり替えが起きやすい
欲求のすり替えは、子どもが「ママやパパと遊びたい」「いっしょにどこかに行きたい」などの気持ちを持っているときに、めんどくさいからとおもちゃを与えて我慢させることもありますよね。
じつは、「本当はこれがしたいのにおもちゃで我慢させる」という状況が続くのは、子どもの成長にとってよくないといわれます。
怪我の原因になりやすい
固いおもちゃがたくさんある環境では、怪我につながることもあります。
例えば、おもちゃがたくさんある環境では、まだ歩行が安定しない幼児はおもちゃにつまずき、転倒する危険性があります。
ほかにも、子どもは口の中に物を入れるので、たくさんのおもちゃの中に小さな物が混ざっていたら、誤飲の危険があります。
逆に、子どもにおもちゃを買い与えないとどうなる?
室内で過ごす時間が多い現代において、子どもにおもちゃを与えないことは成長の土台となる経験の機会を減らす可能性があるため、与えすぎるよりデメリットが大きいかもしれません。
おもちゃを与えるメリットの裏返しにはなりますが、2つご紹介します。
効率のよい知育がしづらくなる
おもちゃがないという状況はどうでしょうか。
最近は、子どものことを考え抜いて作られたおもちゃが増えています。いろいろなデータを使って、子どもにとって「良い物」ができているため、当然、効率よく子どもの成長を促すことができます。
勉強も、教科書や参考書などすでにあるものを使って勉強したほうが、何もないところから始めるよりも効率的ですよね。おもちゃの活用は、これに近いものがあると考えることができます。
刺激が不足する
おもちゃによる五感の刺激は、とにかく多様です。
カラフルなおもちゃは視覚を、音の出るおもちゃは聴覚を、おもちゃの素材によっては触覚や味覚、嗅覚を刺激します。
これらの刺激をおもちゃ以外で与え続けるのはなかなか難しいですよね。子どもに刺激を与えて成長を促すという意味では、おもちゃはあったほうがよいでしょう。
ズバリ!子どもに与えるおもちゃの適正量は?
おもちゃを与えすぎることにも、与えないことにもデメリットがあることをお伝えしました。それでは、適正量はどれくらいなのでしょう。
ここでおもちゃを与える量の目安をご紹介します。あくまで目安なので、子どもの発達や興味に合ったおもちゃを与えていけるとよいですね。
子どもが片づけられる量
ひとつの目安となるのが、「子どもが自分で片づけや管理ができる量」です。
年齢に応じて親が一緒に片づけていく必要はありますが、子どもが自分で片づけ、管理できる量であれば、それぞれのおもちゃでじっくりと遊ぶことができます。
ちなみに、おもちゃの量がそれほど多くなくても種類が多すぎると片づけが難しくなることもあるので、おなじように意識するとよいかもしれません。
3歳ぐらいになると、身の回りのことが自立し始め、自分の物とほかの人の物とを区別する力も育ってきます。自分のおもちゃを自分で片づける、失くさないようにすることは、その育ちを促すことにつながります。
0歳児なら安全に遊べる量
赤ちゃんは、視覚や聴覚から入る刺激に敏感ですし、誤飲の危険性も高いです。棚やおもちゃ箱には複数のおもちゃがあってもよいですが、遊ぶ時には、1〜2個でも十分でしょう。
遊びに飽きるようであれば、ほかのおもちゃを大人が出して与えるという遊び方がおすすめです。
0歳児は、1年間で成長の幅が大きく、個人差もあります。発達に伴いおもちゃを増やしていくとよいですね。
おもちゃの適正量は、子どもの発達や姿とともに変化していきます。変化にあわせて増やしたり入れ替えたりすることで、子どもの遊びを充実させます。
また、量だけでなく与えるタイミング(時期)も大切です。選ぶときは、おもちゃの説明にある対象年齢を参考にするのがおすすめですよ。
それでもどんなおもちゃを与えたらよいか迷うようであれば、子育てセンターなどで相談してみることもよいですね。
モンテッソーリ教育ではおもちゃの量についてどう考える?
早いうちから、モンテッソーリ教育を取り入れているママさんやパパさんも多いでしょう。
モンテッソーリ教育の観点から見た場合、おもちゃの量についてはどのように考えればよいのでしょうか。
そもそもモンテッソーリ教育とは、「子どもが自発的に行動して、その経験から自分自身で成長を促進させる」教育法です。つまり、モンテッソーリ教育の観点から見ると、子どもが自立して管理できる量のおもちゃが必要であるといえます。
では、自立して管理できるおもちゃの量はどのように決めればよいのでしょうか。主に考えたいポイントは以下の2つです。
- 子どもが自分で選択できるおもちゃの量か
- 子どもが自分で取り出して片づけられるおもちゃの量か
おもちゃが多すぎると、子どもはどのおもちゃで遊べばよいか迷ってしまうでしょう。一方で、少なすぎても「遊びたいおもちゃを選ぶ」という自発的な行動を制限してしまうので、子供の成長に良くありません。
また、おもちゃが多すぎると、遊ぶだけ遊んで片づけをしない子どもになってしまう場合もあります。モンテッソーリを教える「こどもの家」では、使ったおもちゃは自分で選び、終ったら片付けるというのを習慣化していると言われています。
この2点を念頭に置き、子どもの月齢や発達度合いに合わせて、おもちゃの量について考えるのが親御さんの役割ですね。
子どもへのおもちゃの与えすぎが心配ならおもちゃのサブスクがおすすめ!
おもちゃが子どもに与える影響や適正量が分かっても、ついつい与えすぎてしまうこともありますよね。
また、「リビングがおもちゃだらけになる」「新しいおもちゃを買うと古いおもちゃは使わず片づけが大変……」などさまざまなお悩みもあると思います。
そんな悩みを解決する方法の1つとして、おもちゃのサブスクリプションがあります。
おもちゃのサブスクでは、月齢に合わせておもちゃの交換ができるので、「おもちゃが増えすぎて困る……」といった方のお悩みを解決できます。
また、サービスによっては自分の子どもに合ったおもちゃを選んでくれるコンシェルジュがいるので、「自分の子どもに適したおもちゃがわからない」といった方でも安心です。