知育玩具

幼児教育で注目されるタングラムのメリットと遊び方

タングラムとは、分割パズルの一種です。正方形を分割した7種類のピースを使って、指定された形状のパネルに当てはめて遊びます。タングラムは、低年齢の子どもでも楽しめるパズルとしてだけでなく、子供の成長に良い影響を与えるパズルとして、注目を集めているのをご存じでしょうか。以下ではタングラムがどのようなものかを解説し、メリットや遊び方などを説明します。

タングラムとは

タングラムは、正方形を7つのパーツに分割して、パズルのピースにします。パーツは、大きな三角形と小さな三角形がそれぞれ2つずつ、中程度の三角形が1つ、正方形と平行四辺形がそれぞれ1つずつです。これらのパーツを使って図形を作ります。タングラムは、誕生の詳細こそ明らかになっていませんが、紀元前2000年ごろに中国で誕生したと言われています。18世紀頃から民間に広がりはじめました。タングラムという呼び名は、ヨーロッパにこのパズルが伝わった頃から使われています。なお、中国ではタングラムを「七巧」と呼びます。

タングラムに関する出版物の歴史

タングラムは時代とともに多くの問題や遊び方が考案されました。それらの遊び方の方法はまとめられ、あるいは問題集として発行されるようになりました。中国では、明の時代に厳澄が「蝶翅几」を考案しました。これが現在のタングラムの源流であるといわれています。その後「七巧図合壁」が1813年、「七巧八分図」が1852年に発行されています。タングラムが日本に伝わったのは1742年です。「清少納言知恵の板」というシルエットパズルの本が発行されています。ただし、この本では正方形の分割方法が、現代のタングラムとは異なっています。

ヨーロッパでは「七巧図合壁」を翻訳した本が出版されました。イギリスでは、独自のタングラム問題集が1817年に登場しています。ドイツでは19世紀末にシルエットパズルのシリーズがリヒター社から発売されました。そのシリーズの1つである「悩める人(Kopfzerbrecher)」にタングラムが収録されています。20世紀に入り、アメリカ人のサム・ロイドはタングラムの問題と由来を収録した「タンの8番目の本」を出版しました。これらの出版物から知られるようになった問題は、現在でも多くの人を楽しませています。その用途は、パズルや娯楽としてだけでなく、発想力や思考力を養う教材としても用いられています。

タングラムを愛した著名人

タングラムはヨーロッパに伝わって以降、多くの人々に愛好されました。例えば、エドガー・アラン・ポーやルイス・キャロルなどです。「不思議の国のアリス」の作者として知られるルイス・キャロルは、タングラムで遊んでいた著名人として最も有名な人物といえるでしょう。彼は「不思議の国の論理学」を著し、その中でタングラムの問題を出題しているほどです。また、フランス第一帝政の皇帝となった、ナポレオン・ボナパルトの遺品から、象牙製のタングラムと問題集が見つかっています。

タングラムのメリット

タングラムは幼児期の子供の成長に大きなメリットがあります。まず「考える力」が身につきます。タングラムのパズルは答えが1つとは限りません。パーツを正しく配置し、完成形に導くためには、考える力が必要です。また、遊びの中で「達成感」が得られ、さらに「図形感覚」が身につきます。このような効果があるため、くもん式などの幼児用教材でもタングラムは用いられています。それぞれのメリットについて、以下で詳しくみていきましょう。

考える力が養える

考える力とは、どのようにして養われるのでしょうか。一般的に、日本の教育は暗記が中心の詰め込み型であるといわれています。しかし、頭を使って物事を判断するためには、覚えるだけではなく「考える」ことを身につける必要があります。タングラムはパズルを通して自分で思考することが身に付く遊びです。例えば、シルエットに当てはまらなかったり、ピースが飛び出したりすると、子どもはピースの置き方が間違っていることに気づきます。間違いがわかれば、自分の手でピースの置き方を試し、正解への道筋を探るようになります。この試行錯誤によって子どもは「考える力」を身につけるのです。

タングラムで達成感を得られる

達成感は子どもを育てるのに欠かせない要素です。達成感をたくさん得ることで、自己肯定感を育てられるからです。自己肯定感が低いと、自分が大切な存在に思えず、不安な気持ちを抱きやすくなってしまいます。タングラムは達成感を得やすいパズルです。問題の形ができ上がったら完成なので、子どもにとってゴールが理解しやすく、自分の手と考えだけで正解にたどりつくことができます。また、パズルの完成が目でみてわかるので、達成感を得る効果が高いです。

パズルが解けたという達成感は、子どもに自信を与えるだけでなく、もっと挑戦してみたいという向上心をもたらします。そして、何度もチャレンジして取り組むことによって、子どもの集中力が鍛えられます。

図形感覚に強くなる

タングラムは、子どもに図形感覚を身につけさせるためにも最適な遊びです。日本の教育課程では、教材に図形感覚を養うものが少ないため、子どもの図形感覚を成長させることが容易ではありません。そのため、幼少期に図形で遊び、その経験から図形感覚を学んでおくことが大切です。図形感覚に優れた子どもは、数学の図形問題が得意になると言われています。図形感覚は数学だけでなく、美感やバランス感覚など、視覚的認識に左右される事柄に大きな影響を与えます。

タングラムを解くためには、図形の構成を認識し、ピースの組み合わせ方を想像しなければなりません。このような想像を繰り返す中で、図形感覚は養われていきます。

タングラムでの遊ばせ方

タングラムは7つのピースを組み合わせて、型にはめ込んだり、問題集の作品例の形に並べたりして遊びます。ただし、正解を導く方法は一通りだけとは限りません。正解するには思考力が問われます。そのため、年齢に相応な遊び方から始めることが大切です。楽しんで遊べなければ、教育効果もあまり得られないからです。子どもの個性にもよりますが、タングラムは3歳ごろから始めるのがおすすめです。

ピースの数を減らしてスタート


最初はピースを7つ使いません。3つくらいに数を減らして問題を解いていきます。タングラムはピースの数が減るほどに、図形が完成させやすくなるパズルです。最初から全てのパーツを使ってしまうと、図解の認識が難しくなり、楽しく遊べなくなります。この段階では、タングラムの仕組みの理解と図形の認識を促すことが大切です。どうしても子どもだけでは答えが導き出せないときは、側から少しヒントを出してあげるとよいでしょう。

4歳ごろになると、図形の認識力が成長しています。ピースを7つ使っても問題を解けるようになっている場合が多いです。この段階から、少しむずかしい問題に挑戦することをおすすめします。しかし、7つのピースを使う問題は、大人でも容易に解けないことがあります。そのため、子どもが遊んでいないときに、解き方を確かめておくとよいかもしれません。

いろいろなタングラムの遊び方

タングラムはシルエットパズルを解く以外にも、遊び方があります。どのような遊び方があるのか、以下で見ていきましょう。

タングラムパラドックス

全く同じように見える2つの図形ではあるが、比較すると明らかにピースの並べ方が異なる図形を、タングラムパラドックスと呼びます。例えば、正方形と穴あき正方形のタングラムパラドックスが有名です。ほぼ同じ大きさの正方形ですが、片方は中心に四角く穴が空いています。そのため、一見すると穴あき正方形の方が、面積が小さくみえます。しかし、実際にはどちらの正方形も同じ大きさの7枚のピースを使っているので、同じ面積です。このような不思議な図形を作るのもタングラムの楽しみ方の1つです。

タングラムで文字や幾何学図形を作る

タングラムを用いて、文字や幾何学図形を作ってみるのも面白い遊び方です。自分で試行錯誤して作り出すのも面白いですが、非常にハードルが高いので、タングラムの問題集に掲載されたものを利用するとよいでしょう。正方形以外の幾何学図形では、1942年に中国の数学者が、13種類のタングラムで作れる図形を発表しました。文字図形ではアルファベットが、1818年にイタリアで出版されたタングラムに関する書籍の中で紹介されています。ひらがなやカタカナの作例もあり、いろは48文字については「清少納言智恵の板」で既に掲載されています。漢字の作例では「七巧八分図」にも登場しました。

知的玩具のレンタルでお得

タングラムは優れた教育効果を持つだけでなく、成長に合わせた遊びができる優れたパズルです。しかし、成長に合わせた問題集を用意するのは大変です。そこで知的玩具のレンタルを利用してはいかがでしょうか。レンタルなら成長に合わせて交換ができるので、適切な問題集を与えられます。また、子どもと玩具のミスマッチを減らせるので、余分に知的玩具買い与える必要がなくなりお得です。