ボードゲーム研修の選び方|目的・人数・時間で実施方式を比較
この記事を監修した人石渡 恵美・福井 美和子・太宰 潮・青栁 陽介詳しく
ゲームを買えば研修になるのか、それとも教材や講師まで必要なのか——この判断が曖昧なまま進めると、当日の進行が想定と大きくずれることがあります。
ゲーム名より先に、目的・参加人数・研修全体の時間・進行役が準備できる範囲の4点を決めると、実施方式が絞りやすくなります。
この記事では、市販ゲームの社内実施・教材レンタル・講師派遣の3方式を同じ比較基準で並べ、人数とセット数の見積もり方、時間配分の目安、稟議前チェック票まで掲載しています。
この記事でわかること
- 実施方式(市販ゲーム社内実施・教材レンタル・講師派遣)を選ぶ判断基準
- ボードゲーム研修が向く目的・向かない目的
- 人数とセット数の正しい見積もり方(欠席・見学・予備・説明担当を含む)
- 説明・プレイ・振り返りの時間配分の目安
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ゲームを買う前に決めておく4つの条件
ゲーム名を先に決めてしまうと、人数に対してセット数が足りない・振り返りの時間が取れない・進行役が当日困るといった問題が起きやすくなります。4項目を確認してから発注・手配することで、当日の不足を防げます。
① 目的(何を変えたいか)
「チームワークを高めたい」では目的として曖昧です。「会議での発言量を増やしたい」「合意形成のプロセスを体験させたい」など、研修後に変わってほしい仕事上の行動を1つ決めると、ゲームの種類と振り返りの設計が決まります。
目的が曖昧なままゲームを選ぶと、プレイは盛り上がっても「何を学んだか」が参加者に残りにくくなります。
② 参加人数(欠席・見学・予備を含めた実数)
参加予定人数だけでなく、欠席見込み・見学者・予備・説明担当の分を加えた実数で考えます。この4項目を確認しないと、当日セットが足りなくなることがあります。詳しくは後の「人数とセット数の組み方」で扱います。
③ 研修全体の時間(プレイ時間だけで組まない)
ゲームのプレイ時間は研修全体の一部です。説明・プレイ・振り返りの3区分で配分しないと、振り返りが圧迫されて体験が「楽しかった」で終わりやすくなります。
④ 進行役が準備できる範囲
社内の担当者がルール説明から振り返りまで担えるか、それとも外部の支援が必要かで、実施方式が変わります。進行役の準備可能範囲が、3方式のどれを選ぶかを決める最大の判断材料になります。
ボードゲーム研修が向く目的・向かない目的
ボードゲーム研修はコミュニケーション・合意形成・経営シミュレーションなど体験型で学びやすい目的に向きます。一方、個別スキルの習得や評価・査定を目的とする場合は、ゲームの勝敗で能力を判定できないため、別の手法と組み合わせる方が適しています。
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向く目的と向かない目的を確認することで、期待とのズレを防げます。
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(◎向く ○条件付きで向く △別手法との組み合わせを推奨 ×向かない)
「論理思考をボードゲームで学ばせたい」という要望は多いですが、ゲームはあくまで体験の場です。スキルとして定着させるには、演習や振り返りとセットで設計する必要があります。ボードゲームだけで完結しようとすると、期待した効果が出にくくなります。
市販ゲームの社内実施・教材レンタル・講師派遣を比べると
3方式の選び分けは、準備できる範囲と必要な支援の量で決まります。市販ゲームは準備コストが低い分、進行役のスキルに依存します。教材レンタルは進行資料が付属し準備負担を下げられます。講師派遣は目的設計から振り返りまで支援を受けられる分、費用と事前調整が増えます。
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※各社の具体的な料金・対応人数・提供内容は会社・時期により異なります。問い合わせ前に後述の条件リストを埋めてから確認すると、提案の精度が上がります。
3方式の選び分けは準備できる範囲と必要な支援の量で決まります。社内で進行役が振り返りまで設計・進行できるか否かが最大の判断材料になります。できるなら市販ゲームの社内実施、資料があれば動けるなら教材レンタル、設計から任せたいなら講師派遣を検討してください。
人数とセット数の組み方、時間配分の目安
セット数の見積もり方(欠席・見学・予備・説明担当を含む)
必要なセット数は、参加人数÷1卓の人数だけでは足りません。欠席・見学・予備・説明担当の分を加えた実数で見積もると、当日の不足を防げます。4項目を確認リストに入れておくと、セット数の見積もりが正確になります。
- 欠席見込み:当日の急な欠席で卓の人数が変わる場合、1卓あたりの最低人数を下回らないか確認する
- 見学者:プレイに参加しない見学者がいる場合、卓の構成に影響しないか確認する
- 予備セット:部品の紛失・破損に備えて予備を1セット用意できるか確認する
- 説明担当:ルール説明を担当する進行役が卓に入らない場合、その分の人数を参加人数から除いて計算する
計算例:参加20名・1卓4名・欠席2名・説明担当1名(卓に入らない)・予備1セットの場合
実参加 = 20名 − 欠席2名 − 説明担当1名 = 17名
必要卓数 = 17名 ÷ 4名/卓 = 4.25 → 切り上げて5卓
予備1セットを加えて、合計6セットが目安になります。
人数が確定した段階で上の4項目を確認してから発注・手配することで、当日の不足を防げます。
時間配分の目安(説明・プレイ・振り返りの3区分)
研修全体の時間は、ゲームのプレイ時間だけで組まないことが基本です。説明・プレイ・振り返りの3区分で配分し、振り返り時間を確保することで、体験が「楽しかった」で終わらず、仕事上の行動変容につながりやすくなる傾向があります。振り返りを短くしすぎると、体験が言語化されないまま終わりやすくなります。
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※上記は目安です。振り返り時間の目安は、ゲーム種類・参加者の経験度・目的の複雑度により±5〜10分の変動があります。初めて実施する場合は、プレイ時間を短めに見積もり、振り返りに余裕を持たせることをお勧めします。
プレイが盛り上がると時間が押しやすくなります。振り返りを削って終わらせると、参加者が「何のための研修だったか」を言語化できないまま終わることがあります。タイムキーパーを別に立てるか、進行役が時間管理を担う役割を明確にしておくと当日の進行がスムーズです。
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実施前に確認する稟議チェック票
稟議前に対象者・改善したい仕事上の行動・参加人数・会場・使える時間・進行役・準備担当・実施後の確認方法の8項目を埋めておくと、社内承認と外部への問い合わせがスムーズになります。これらが未定のまま進めると、承認後に条件が変わって再調整が必要になることがあります。
下のチェック票を印刷またはコピーして、企画書・稟議書の下書きとして使えます。
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⑧の「実施後の確認方法」は、稟議の段階で決めておくと研修の効果測定がしやすくなります。「研修をやった」で終わらず、「何が変わったか」を確認する手段を先に決めておくことで、次回の研修設計にも活かせます。
また、ゲームの勝敗で参加者の能力や適性を判定することはできません。実施後の確認方法は、行動変容・コミュニケーションの変化など、ゲームの勝敗とは切り離した観点で設計することをお勧めします。
講師・教材会社へ問い合わせる前に決めておく条件
目的・人数・時間・会場・進行役の有無・予算感・実施希望日の7点を事前に決めておくと、提案の精度が上がります。これらが未定のまま問い合わせると、条件が合わない提案を受け取ることがあります。
- 目的:改善したい仕事上の行動を1文で(「チームワーク向上」より「会議での発言量を増やしたい」が具体的)
- 人数:参加予定人数と欠席・見学・予備を含めた実数
- 時間:研修全体の時間と、説明・プレイ・振り返りの希望配分
- 会場:社内か外部か・収容人数・机の配置変更が可能か
- 進行役の有無:社内で進行役を立てるか、外部に依頼するか
- 予算感:1人あたりの目安または全体予算の上限
- 実施希望日:第1希望・第2希望の日程
特に「目的」と「進行役の有無」は、提案内容が大きく変わる項目です。目的が曖昧だと汎用的な提案しか受け取れず、進行役の有無が未定だと費用の見積もりが出ません。問い合わせ前にこの2点だけでも固めておくと、やりとりがスムーズになります。
ボードゲーム研修のよくある質問
社内講師だけで実施できるかどうかは、進行役がルール説明・場の進行・振り返りの設計を担えるかで決まります。ゲームのルールを覚えるだけでなく、「このゲームで何を学ぶか」を参加者に言語化させる振り返りの進行が最も難しい部分です。初めて実施する場合は、教材レンタルで付属の進行資料を活用するか、1回目だけ外部講師に依頼して進め方を学ぶ方法もあります。
市販のボードゲームは娯楽として設計されており、研修目的の振り返り資料・ファシリテーターガイドは付属していません。研修専用教材は、進行手順・振り返りワークシート・学習目標が設定されており、進行役の準備負担が下がります。ただし、研修専用教材は費用が高くなる傾向があります。進行役の準備時間と費用のバランスで選ぶと判断しやすくなります。
オンラインでのボードゲーム研修は、デジタル版ゲームやオンライン対応の教材を使う方法と、物理的なゲームをカメラで映しながら進行する方法があります。いずれも対面より進行の難易度が上がるため、初めてオンラインで実施する場合は講師派遣または教材レンタルで進行資料を活用する方が安心です。オンライン対応の可否は、教材会社・講師会社に事前に確認してください。
ゲームの種類によって1卓の人数が異なります(一般的に2〜6名程度)。少人数(10名以下)でも実施できますが、卓の数が少ないと振り返りの比較が限られます。大人数(50名以上)の場合は、セット数の確保と会場のレイアウト・進行役の配置が課題になります。人数が決まったら、前述のセット数の見積もり方(欠席・見学・予備・説明担当を含む)で必要数を確認してください。
ゲームの勝敗で能力を判定することはできません。実施後の確認方法は、研修前に設定した「改善したい仕事上の行動」が変化したかを観察する形が適しています。具体的には、研修直後のアンケート(気づき・次に試したい行動)と、1ヶ月後の行動観察または上司ヒアリングを組み合わせる方法が使いやすいです。稟議前チェック票の⑧で確認方法を先に決めておくと、実施後の評価がしやすくなります。
免責事項
本記事は成人企業研修の実施方式に関する一般的な情報提供です。キッズ・ラボラトリーは現在、乳幼児向けおもちゃのサブスク事業を主としており、成人企業研修サービスは提供していません。
学術協力
この記事で紹介した利用データの読み解きは、消費者行動・サブスクリプション研究を専門とする福岡大学商学部の太宰潮教授に学術協力をいただいています。
本記事で使用している「継続利用データ」「利用者アンケート」は、キッズ・ラボラトリーの利用者対応・交換リクエスト・アンケート回答をもとに、個人が特定されない形で集計したものです。対象期間、件数、集計方法はデータと実績|公式ファクトに記載しています。
参考文献
- 一般社団法人 日本能率協会 公式サイト(2026年9月確認)
月額6,380円〜
