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木で作られたおもちゃは、温かみがあり、使うほどに味わいが出るため、人気があります。その中でも人気が高いのが、ドイツ製の木のおもちゃです。
ドイツで作られる木のおもちゃは、品質が高くデザイン性も優れており、知育玩具として世界中の多くの教育現場で取り入れられています。
ここでは、そんなドイツ製の木のおもちゃについて、その魅力や特徴を紹介します。
また、0歳・1歳の赤ちゃんにおすすめのおもちゃも紹介しますので、ぜひおもちゃ選びの参考にしてみてください。
ドイツ製の木のおもちゃの魅力
ドイツ製の木のおもちゃは、なぜこれほどまでに人気があるのでしょうか?
特徴として、大きく以下の3つのポイントが挙げられます。
- 優れた品質
- 高い安全性
- 美しいデザイン
優れた品質
ドイツには、古くから優れた技術を持つマイスターの元で、見習いの職人がその技を磨く修行をする制度があります。
中世、ドイツでは南部のニュルンベルクを中心に、おもちゃが盛んに作られるようになります。
それまで生活用品などを制作してきた木工職人たちは、その高い技術を活かしておもちゃ作りも手がけるようになりました。
また、ドイツは「幼児教育の父」といわれるフリードリヒ・フレーベルによって、世界で初めて幼稚園が誕生した地でもあります。1840年のことです。
ドイツ各地に広まっていったkindergarten(キンダーガルテンもしくは「キンダーガ-テン。フレーベルの造語で「幼稚園」という意味)では、彼の理念に基づいた質の高い木製玩具が導入されました。
ドイツには、木工の高い技術が伝統として伝わり、幼児期の遊びがもつ重要性や質の高い木製のおもちゃが子どもに与える影響への理解が浸透しています。
その両方が、優れた木のおもちゃを生み出す礎になっているのです。
さらにドイツには、優良な玩具を認定する団体「spiel gut(シュピールグート)」(「子供の遊びと玩具」審議会)があり、中立公正な専門家によって毎年多くのおもちゃが審査、認定されています。
高い安全性
ドイツを含めヨーロッパのおもちゃには、厳しい安全基準が定められ、木のおもちゃの場合は、基準をクリアした証としてCEマークが表示されています。
CEマークは、おもちゃの安全性を規定した「EN71」に照らし合わせ、必要な項目のテストをパスした商品のみ付与されるものです。
spiel gutでもこのCEマークの基準に加え、「間違った使い方にならないよう安全性が考慮されているか」という点も考慮されています。このように、子どもならではの視点に立った安全性の確認がなされているのです。
美しいデザイン
フレーベルの幼児教育やシュタイナー教育が生まれたドイツでは、感性を刺激し、豊かな心を育むために、子どものおもちゃであっても、本物であること、美しいデザイン性を求めています。
ドイツの木のおもちゃは、とてもシンプルで色合いも美しく、オブジェのように部屋に飾っておけるものが大多数です。
ドイツのおもちゃは知育にもよい?
知育とは、イギリスの学者ハーバート・スペンサーによって提唱された「教育の基本の三育」といわれる以下の3つのうちの1つです。
- 知育 知能を高める
- 徳育 豊かな心を養う
- 体育 健やかな体を育む
この3つをバランスよく養うことは、子どもの可能性を広げ、「生きる力」を身に付けるために重要だとされています。
知育は知的な能力、具体的には思考力や判断力、想像力を鍛え、自分で考える力を身に付けること。
ここまでにも記したとおり、ドイツは幼児教育に造詣の深い国です。
それぞれの発達段階に適したおもちゃを与えることが、知育には重要であると広く認識されています。
そのため、0歳〜1歳は五感をしっかり使うおもちゃ、2歳〜3歳は指先を使うおもちゃ、4歳〜5歳は数を学びながら楽しむおもちゃがそれぞれ充実しています。
また、知育において重要とされる子どもの自主性と創造性を大切にした、とてもシンプルで、子どもの想像力しだいで、どのようにも遊ぶことができるおもちゃが多く作られています。
ドイツ製のおもちゃにはどんな種類がある?
さて、ドイツ製のおもちゃには、どのようなものがあるのでしょうか。
積み木
木のおもちゃの定番ともいえるのが積み木です。
積み木の原型は、ドイツの教育学者フレーベルによって作られた「恩物(おんぶつ)」だといわれています。
積むだけではなく、見立て遊びに使ったり、大きさ・長さ・量の概念を自分の手で確かめたりしながら学ぶことができるおもちゃです。
シンプルだからこそ、子どもの創造力を伸ばすことができるおもちゃとして、世界中で取り入れられています。
クーゲルバーン
「クーゲルバーン」はドイツ語で、「クーゲル=玉」「バーン=道」、つまり「玉の道」という意味です。
傾斜のついたレールや、パーツをつなげて作った道に、ボールやビー玉を転がして遊びます。
転がるボールを目で追いかけ、どの方向に転がるのか、スピードはどう変化するか、観察し予想しながら、自分でパーツを組み合わせて道を作ることは、論理的な考え方を育んでくれます。
また、集中力や空間認識能力を高め、達成感を得ることもできるおもちゃです。
車のおもちゃ
堅牢な仕立てとシンプルなデザインで、子どもたちに長く愛されているのが木製の車のおもちゃです。
ドイツ製の車のおもちゃの多くは、硬いブナ材で作られており、材質が硬いため加工の難易度が高いにもかかわらず、全ての面取りがなされているなど、とても丁寧に仕上げられています。
また、材料はできるだけ「木材のみ」で作る努力をしているメーカーが多く、最小限の樹脂やゴムパーツを除いては、ほとんどの部品に木材が使われているのが特徴です。
ダンプカーやバスなどの子どもたちの大好きなはたらくくるまが、とても美しい木目で作られていますよ。
ドイツの木のおもちゃメーカー
数あるドイツの木のおもちゃメーカーのうち、特に名前の知られた5社を紹介します。
HABA(ハバ)社
1938年、ドイツ・バイエルンで家族経営の会社として始まりました。
クーゲルバーンやペグさしのおもちゃなど、高品質な木製おもちゃは日本でも有名ですね。
目を引くカラフルな色彩、しっかりと指先を使うおもちゃが多くあります。
自社で企画・デザインし、木工技師のマイスター(国家資格)であるスタッフが、高品質のおもちゃを製造しています。
どんな木製部材も自社で手がけるという精神が、しっかりと息づいているメーカーです。
また、環境保護にも取り組み、おもちゃの製造のために伐採した木材と同じだけ、植林もおこなっています。
SINA(ジーナ)社
ジーナ社の前身は、かつてフレーベルがキンダーガルテンで子どもたちが遊ぶための知育玩具の生産を依頼したという、S.F.フィッシャー社です。一時は企業存続の危機にもさらされましたが、1991年、S.F.フィッシャー社はデュシマ社と合資会社ジーナ社を設立しました。
素材には、近隣の森で育ったブナ材を使用、塗料やニスも天然であることにこだわっています。
とても丁寧な成形と塗装で、子どもの感性を大切にしたおもちゃ作りに徹するメーカーです。
NIC(ニック)社
元々は商社でしたが、1991年、家族や親戚が集まりおもちゃメーカーとして新たなスタートを切ります。小規模ながら、今ではドイツ有数の優れた玩具メーカーに成長しました。
主に手がけているのは、子どもが愛着を持って繰り返し遊べる、シンプルで堅牢なおもちゃです。
また、ロングセラーを生み出しているほかの玩具メーカーの仕事を引き継いだり、他社の織り機のデザインを買い上げて細部に改良を加え生産し続けたりなどの活動もしています。
このように、良質なおもちゃを大切にする信頼の厚いメーカーでもあります。
1998年には、ドイツ玩具業組合の主催するDEUTSCHER DESIGN – PREIS(ドイツのデザインプレス)で1位に選ばれました。
Selecta(セレクタ)社
「厳選されたもの」というラテン語に由来する社名のおもちゃメーカーです。
1968年、ドイツ南部、ミュンヘン近郊の小さな村に設立されました。
木材にこだわったおもちゃ作りをしており、ほぼ100%ドイツ産の素材を使用しているのが特徴です。
また、SEボールなど、小さな赤ちゃんも安心して遊べるカラフルでアイディアにあふれたおもちゃを手がけています。
Grimm’s(グリムス)社
シュタイナー教育の理念に基づいたおもちゃ作りをしているメーカーで、シンプルな形と美しい色彩により子どもの想像力を広げるおもちゃを手がけています。
「虹」をモチーフとしたおもちゃの数々は、思わず手を伸ばしたくなるものばかりです。
鮮やかな色には、赤ちゃんが口に入れても安全な塗料が使われています。
また、素材は木の優しさが感じられるように加工され、使い込むほどに手触りが変化することも特徴です。
【0歳】ドイツ製の木のおもちゃ
0歳の赤ちゃんには、興味を引きやすい美しい色彩のおもちゃ、五感をしっかり使うおもちゃがおすすめです。
NIC(ニック)社:WALTERベルハーモニー
リングを持って揺らすと、「カランカラン」と4つの木のベルが優しく心地よい音を奏でるおもちゃです。
寝ている赤ちゃんの上に吊るすと、色に焦点を合わせる練習になります。生後3ヶ月ごろからは、手を伸ばすようにもなるでしょう。
4つのベルは少しずつ形と音色が異なり、木目が美しく浮き出るように塗装されています。
対象年齢:3ヶ月から
SELECTA(セレクタ)社:SEボール
カラフルな木製パーツがゴムで網目状につながったボールのおもちゃです。
小さな指でも握りやすく、ねんねのころからラトルや歯固めとして使えます。もちろん口に入れても安全な塗料が使用されているので、安心です。
ずりばいやハイハイをするころには、ボールとして全身使いながら追いかけて遊べます。
赤ちゃんの弱い力でも、つぶしたり、ぐにゃりと自由自在に形を変えたりすることができ、またすぐにボール状に戻る様子も楽しめますよ。
中にタオルなどを入れてあげて、引っ張り出す遊びをさせてあげるのもよいですね。
対象年齢:生後5ヶ月ごろから
SINA(ジーナ)社:ベビーキューブ
軽く、シンプルで色合いが美しい積み木のおもちゃです。
小さな手にもつかみやすい4cm角で、中には鈴や木のかけらなどが入っています。振ると小さな穴から、色ごとに異なる音が響く仕掛けです。
緑は春をイメージした音、黄色は日の出のイメージした音など、音色は積み木の色とリンクしています。
積み木としてはもちろん、耳を澄ませて音を聞き分ける遊びなど、想像力をふくらませてさまざまに遊ぶことができます。
板を貼り合わせるのではなく、木をくり抜いてふたをするという丁寧な作りも魅力です。
対象年齢:生後10ヶ月ごろから
【1歳】ドイツ製の木のおもちゃ
体の機能がさらに成長する1歳の赤ちゃんには、体全体や指先を使いながら遊べるおもちゃを選んであげましょう。
Grimm’s(グリムス)社:虹色トンネルスモール
虹がかかったようなアーチが美しい積み木は、グリム社の代表作です。
赤ちゃんに扱いやすい小さなサイズのほか、大や特大などのサイズもあります。
ひっくり返してゆらゆら揺らしてあげると、とてもユニークな様子で赤ちゃんが興味を持ってくれること間違いなしです。
月齢を重ねるにつれ、お人形のトンネルやゆりかごにして遊んだり、バランスをとって6つを積み重ねたりと、さまざまに遊べるほか、大きさ・高さの違いや順番を学ぶこともできますよ。
木をくり抜いて作られているので使うほどに手になじみ、鮮やかな色彩には安全な塗料が使われていることもポイントです。
対象年齢:1歳ごろから
NIC(ニック)社:WALTERむかで
NIC社が引き継いだWALTERブランドのベストセラー、プルトイのむかでです。
丸い顔が特徴で、引くと体を構成する卵型のパーツがクルクルと回り、ユニークな動きをします。そのしなやかな動きには、大人も思わず見入ってしまうほど。
パーツが球体で構成されているため、倒れる心配もなく、段差もスイスイと移動できます。
また、赤ちゃんの目に止まりやすいはっきりとしたカラーリングであるのもポイントです。
WALTERむかでは、うつ伏せになるころから遊べますが、やはり自分で引っ張って、高い位置からむかでの体を見るという遊びが楽しいのではないでしょうか。
対象年齢:1歳ごろから
HABA(ハバ)社:ベビークーゲルバーン
HABA社の代表作ともいえる、組み立てクーゲルバーンのベビー版です。
はじめは、ママさんやパパさんが作った道に玉を転がし、その様子を目で追って遊びます。動く物を目で追う「追視」は、これから先、さまざまな場面で必要となる力です。
成長とともに指先が器用になれば、自分で道を作りながら遊べるようになるでしょう。
また、基尺(正立方体の一辺の長さ)は組み立てクーゲルバーンと同じ4cmなので、クーゲルバーンのパーツを買い足しながら、長く遊べるのもドイツのおもちゃならではの特徴です。
さらに、音が鳴る仕掛けの追加パーツもあるので、遊びの幅がどんどん広がりそうですね。
対象年齢:1歳6ヶ月ごろから
いろいろな木のおもちゃを試すならサブスクがおすすめ◎
歴史あるドイツの木のおもちゃは、どれも質が高く、知育効果も期待できます。
とはいえ、細部までこだわって作られたおもちゃは、質が高いからこそ購入するとなるとやや高額な点が否めません。
そんなときにおすすめしたいのが、おもちゃを定額でレンタルできる、おもちゃのサブスクサービスです。
数あるおもちゃのサブスクサービスの中でも、キッズ・ラボラトリーは、今回ご紹介したドイツ製の木のおもちゃをはじめ、質の高い木製知育玩具を豊富に取りそろえています。
またレンタルするおもちゃについては、資格を持ったおもちゃコンシェルジュに事前に相談可能。それにより、お子さんの発達や好みに合ったおもちゃを選ぶことができますよ。
おもちゃは、子どもの成長をサポートするもの。安心して遊ばせられる、質の高いものを選びたいですよね。
この機会にぜひおもちゃのサブスクサービス、キッズ・ラボラトリーをチェックしてみてはいかがでしょうか。