赤ちゃんが絵本に興味を示さないときは?聞かない・かじるときの読み方
この記事を監修した人石渡 恵美・福井 美和子・青栁 陽介詳しく
読み聞かせを始めたのに、数ページで立ち上がってしまう。絵本をかじる、閉じる、そっぽを向く。「自分の読み方が悪いのかな」と感じてしまうことがあるかもしれません。
月齢によって、かじる・めくる・視線が合う程度が「その時期の関わり方」として見られることがあります。じっと聞くことだけが正解ではないと考えると、少し気持ちが楽になります。
この記事では、月齢ごとの反応の見方、環境や姿勢の一つだけ変える手順、かじる・閉じる・逃げるへの対処、その日の終わりどきの判断まで、順を追って説明します。
この記事でわかること
- 月齢ごとに見られる絵本への反応の違い(0〜6か月・7〜12か月・1歳前後)
- 眠気・空腹・距離・姿勢・ページ数を一つずつ変える手順
- かじる・閉じる・逃げるときの個別対処と安全確認
- 「続ける・遊びに変える・その日は終える」の三択判断
▼ 気になるところから読む
読み聞かせ中の反応別・その日の判断早見表
読み聞かせ中に起きやすい反応を、試してみる変更とその日の終わりどき、安全確認の観点で一覧にしました。まず自分のお子さまの反応に近い行を見てみてください。
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表の「試す変更」は一つだけ変えることが前提です。複数を同時に変えると何が効いたか分からなくなります。
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月齢によって反応はこんなに違う
絵本をめくるだけ・かじるだけでも、その月齢の関わり方として見られることがあります。じっと聞くことだけを目標にしなくて大丈夫です。ただし個人差があるため、反応の出方や時期はお子さまによって異なります。
0〜6か月頃:声と顔に反応する時期
この時期は、絵本の絵よりも読む人の声や顔に反応しています。
目の焦点が合いにくく、コントラストのはっきりした絵(白黒・シンプルな図形)に視線が向きやすい傾向があります。
絵本の内容を「理解している」というより、声のリズムや抑揚が届いている段階です。読んでいる間に目が合う、声に合わせて手足を動かす、といった反応があれば、十分な関わりになっています。
絵本を持たずに声だけで読んでも、この月齢では同じように届きます。
7〜12か月頃:手で触れる・口で確かめる時期
ページをめくる、かじる、手でたたく、といった動きが増えてくる時期です。
これは絵本への「無関心」ではなく、手や口で感触を確かめる発達の自然な表れとして見られることがあります。絵を見ていなくても、声を聞きながら手を動かしているなら、それがこの時期の関わり方です。
かじりやすい時期なので、厚紙絵本(ボードブック)や布絵本に切り替えると安心して一緒に使えます。
1歳前後:好きなページで止まる・繰り返しを求める
好きなページで止まったり、同じ絵本を何度も持ってきたりする様子が出てくることがあります。
ただし、この順序どおりに進まないお子さまも多くいます。1歳になっても絵本をかじる・めくるだけという場合も珍しくなく、それ自体が発達の遅れを示すものではありません。
「この月齢ならこうあるべき」という基準で見るより、今日のお子さまの反応を観察することが、次の一手を決めやすくします。
まず一つだけ変えてみる・環境と姿勢の見直し方
眠気・空腹・距離・姿勢・ページ数・読む長さのうち、今日は一つだけ変えてみてください。複数を同時に変えると何が効いたか分からなくなります。変えた結果を次の機会に活かすことで、そのお子さまに合う読み方が少しずつ見えてきます。
眠気・空腹を先に確認する
眠い・お腹が空いているときは、どんな絵本でも集中しにくいです。
授乳・食事の直後、お風呂上がりの落ち着いた時間帯が試しやすいタイミングです。逆に、眠くなってきたサインが出ているときは読み始めないほうが、次の機会につながりやすくなります。
距離と姿勢を変える
膝の上に乗せて一緒に絵本を見る姿勢は、お子さまの視線と絵本の距離が自然に合いやすいです。
床に並んで寝転がりながら絵本を上から見せる方法も、月齢が低い時期には試しやすいです。距離が遠すぎると絵が見えにくく、近すぎると圧迫感を感じることがあります。
今日は「姿勢だけ」変えてみて、反応を見てみてください。
ページ数と読む長さを減らす
1冊を最後まで読もうとしなくて大丈夫です。
2〜3ページで終わらせる、気に入ったページだけ繰り返す、といった短い関わりのほうが、続けやすくなることがあります。「読み切る」ことを目標にしないほうが、お子さまも保護者の方も気持ちが楽になります。
声量と読み方を変える
大きな声で読もうとすると、かえって驚いて離れることがあります。
普段の話しかけと同じくらいの声量で、ゆっくり読むほうが落ち着いて聞きやすいです。声のリズムや抑揚を少し大げさにすると、視線が向きやすくなることもあります。
今日は「声量だけ」変えてみる、という試し方でも十分です。
かじる・閉じる・逃げるときはどうする?
かじるのは口で感触を確かめる時期の自然な行動です。紙の端や小さな部品による口のけが・誤飲に注意しながら、厚紙絵本や布絵本に切り替えると安心です。閉じる・逃げるときは「今日はここまで」と切り上げて大丈夫です。
かじる・なめる場合
口に入れて確かめることは、この時期のお子さまにとって感触を知る方法の一つです。
薄い紙の絵本は、端が口の中を傷つけることがあります。かじりが多い時期は、厚紙絵本(ボードブック)や布絵本に切り替えると安心して使えます。
かじりながらも声に反応している、ページをめくろうとしているなら、絵本への関心がないわけではありません。かじっている間も声かけを続けてみてください。
小さなシールや付録など、口に入るサイズの部品がある絵本は、この時期は使わないほうが安心です。
閉じる・押しのける場合
「今は読みたくない」というサインとして受け取って大丈夫です。
無理に開き直して続けると、絵本そのものを嫌がるようになることがあります。閉じたらその日は終えて、別の時間帯に短く試してみてください。
逃げる・立ち上がる場合
立ち上がって動き回りたい時間帯に読もうとしている可能性があります。
体を動かしたい気分のときは、絵本より体を使う遊びのほうが合っていることがあります。読み聞かせをやめて遊びに切り替え、落ち着いた時間帯にまた短く試してみてください。
めくるだけで絵を見ない場合
ページをめくること自体を楽しんでいる可能性があります。
読む声を止めて、一緒にページを触ってみてください。「ここに何がいるかな」と声をかけながら指で絵を指すと、視線が向くことがあります。めくり続けるなら、それを遊びとして一緒に楽しんで大丈夫です。
同じ絵本ばかり選んでも大丈夫?
同じ絵本を何度も持ってくるのは、その絵本が心地よい証拠です。繰り返しを嫌がらず、お子さまが飽きるまで付き合うのが自然な関わり方です。
大人から見ると「また同じ本?」と感じても、お子さまにとっては毎回新しい発見があることがあります。同じページで止まる、同じ場面で声を出す、といった反応が出てきたら、その絵本がそのお子さまに合っているサインです。
新しい絵本を増やすことより、今手元にある絵本で繰り返し関わることのほうが、この時期は自然です。
選び方の手順は「赤ちゃんのプレイマットはいつから?月齢別の使い方と素材・厚み・サイズの選び方」にまとめています。
ただし、絵本の種類を広げたいと思ったときは、購入前に試せる選択肢があります。布絵本の選び方については関連記事をご覧ください。
その日は終えてよいサインと切り上げ方
数ページで離れる・目が合わなくなる・ぐずり始めるのは「今日はここまで」のサインです。無理に続けず切り上げることで、次の機会に短くまた試しやすくなります。毎回完読しなくても大丈夫です。
終えてよいサインの見分け方
次のどれかが出たら、その日は終えて大丈夫です。
- 絵本から離れて別の場所へ移動する
- 目が合わなくなる・視線が絵本に向かなくなる
- ぐずり始める・泣き始める
- 絵本を閉じる・押しのける
- 眠そうにする
切り上げ方
「おしまいにしようね」と一言声をかけて終えるだけで十分です。
「もっと読もうよ」と引き止めたり、「なんで聞かないの」と声を荒げたりすると、絵本の時間がお子さまにとって嫌な記憶になりやすいです。
短く終えた日でも、声をかけながら一緒に過ごした時間はお子さまに届いています。「今日は2ページで終わった」と感じても、それで十分な日もあります。
続ける・遊びに変える・その日は終えるの判断
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迷ったら「ぐずり始めたらその日は終える」を基準にすると判断しやすくなります。
まず試してから決める方法もあります
心配が続くときに相談できる場所
絵本への反応が薄いことだけで、発達の遅れや問題があると判断されるわけではありません。ただ、「何か気になる」という感覚が続くときは、一人で抱え込まず相談できる場所があります。
1歳半健診・3歳児健診を活用する
1歳半健診は、言葉や指差し、遊び方などを保健師や医師に相談できる機会です。
「絵本に興味を示さない」「声かけへの反応が少ない気がする」「同じ遊びしかしない」など、気になることをメモしておくと相談しやすくなります。健診の場で「様子を見ましょう」と言われることも多く、それ自体は珍しくありません。
かかりつけの小児科・地域の保健センター
健診の時期でなくても、かかりつけの小児科や地域の保健センターで相談できます。
「発達が心配」と伝えると、必要に応じて専門機関への紹介や、地域の相談窓口を案内してもらえることがあります。「大げさかな」と思わず、気になることは早めに相談してみてください。
赤ちゃんの絵本によくある質問
読み方だけが原因とは限りません。月齢・時間帯・眠気・空腹・姿勢など、その日の状態が影響することがあります。まず眠気と空腹を確認し、次に距離や姿勢を一つだけ変えてみてください。「読み方が悪い」と感じる前に、環境の側を変えてみるほうが手がかりになりやすいです。
口で感触を確かめる時期のお子さまには、かじること自体を無理にやめさせなくて大丈夫です。ただし、紙の端や小さな部品による口のけが・誤飲には注意が必要です。薄い紙の絵本は厚紙絵本(ボードブック)や布絵本に切り替えると、安心して一緒に使えます。
毎日読まなければ発達に影響するとは一概に言えません。読める日に短く関わるほうが、無理に毎日続けようとするより長続きしやすいことがあります。2〜3ページで終わる日があっても、声をかけながら一緒に過ごした時間はお子さまに届いていると考えられます。
同じ絵本を繰り返し選ぶのは、その絵本が心地よいサインです。繰り返しを嫌がらず付き合うのが自然な関わり方で、問題ではありません。新しい絵本を無理に増やさなくても大丈夫です。絵本の種類を広げたいときは、購入前に試せる選択肢を検討してみてください。
個人差が大きく、一律に「◯か月から」とは言えません。1歳前後から好きなページで止まる・繰り返しを求める様子が出てくることがありますが、2歳近くまでかじる・めくるだけというお子さまも珍しくありません。「集中して聞く」ことを目標にするより、今日のお子さまの反応を観察しながら短く関わることが、長く続けやすくなります。
参考文献
- こども家庭庁「令和5年乳幼児身体発育調査報告書」(2026年9月確認)
- 消費者庁「子どもの事故防止」(2026年9月確認)
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